不動産向け融資動向に目を光らせ始める金融庁
12月7日週のニュース概観だが、11日、金融庁が不動産向け融資を活発化させている金融機関に対してリスク管理状況等のヒアリングを開始したことが報じられた。一部の地方銀行や外資系金融がその対象となっているようである。ここで11月18日に日銀が公表した「貸出先別貸出金(四半期調査)」で金融機関の不動産業向け融資状況を確認してみると、2015年度第2四半期(7-9月)の不動産業設備投資用借入額は2兆9843億円、第1四半期に続く2兆円越えと高原状態にある。また、不動産投資市場の今後についても資金調達の容易性を自明視して堅調な展開が続くと予想する声が依然多い。それだけに、今回の報道を受けて金融機関が金融庁、政府の意向を忖度した結果、不動産向け融資に想定外の冷や水が指される可能性には注意したい。
また同日、J-REITの資産運用会社について2件の動きが報じられた。1件目は、日本賃貸住宅投資法人(以下「JRH」)の資産運用を担当しているミカサ・アセット・マネジメント(以下「MAM」)が大和証券グループ本社(以下「大和証券G」)への傘下入りである。大和証券Gは2014年11月にMAMの株式約30%を取得して同社を関連会社としていたが、今回MAMの株式68%を追加取得して同社を子会社とすると発表した。株式の取得自体は18日に行われる予定で、取得後のMAMの株主構成は大和証券G98%、三菱東京UFJ銀行1%、三井住友銀行1%となる。
2件目は、三菱商事・ユービーエス・リアルティ(日本リテールファンド投資法人、産業ファンド投資法人の資産運用会社)が助言型私募ファンド事業を行う子会社を新設するというもの。投資家の投資ニーズ多様化を窺わせるニュースである。なお当該子会社の設立は今月から来月にかけての見込み。
12月7日週は、以下の3件を含めて7件の物件関連の報道があった。内訳は物流施設3件、ホテル3件、商業施設1件である。活発な訪日外国人観光客の流入を追い風としてホテル開発・投資に関するニュースが続くが、こと韓国、台湾、香港からの観光客は東京よりも大阪を好むという調査結果もあるだけに、今後も大阪を中心とした関西でのホテル開発・投資は好調を維持するものと思われる。
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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