大和不動産鑑定 (著)
「名は体を表す」という言葉がしっくりくるこの書籍は、今年創業50年目を迎える大手不動産鑑定評価機関の大和不動産鑑定所属の専門家が、不動産価格(鑑定評価価格)の決まり方を簡潔、明快に説明したものです。
まず不動産やその価格についての基本的知識ということで、第1章「不動産市場のサイクル」でバブル期から2016年現在に至るまでの不動産市場全体の動き、第2章「価格評価の基本」で不動産の収益性に着目して価格を導き出すための基本的な考え方がそれぞれ説明されます。具体論に入る前のウォーミングアップといったところでしょうか。
ここからが具体論の世界です。
第3章から第10章では、各用途の特徴とそれが賃貸収益、光熱費や維持管理費といった各種費用にどう表れてくるのか、そして最終的に価格にどう反映されてくるのか、実際の数字を使いながらケーススタディで学べるようになっています。「オフィス」や「住宅」といったお馴染みの用途は勿論、ややなじみの薄いゴルフ場、最近になって急に注目を浴びるようになったヘルスケア施設、インフラ設備にも独立した1章が用意されて丁寧な説明が加えられている所が特に勉強になります。
11章と12章は不動産の評価にあたって専門家が建物や土壌のどこに着目し、不動産の性能や安全性について評価を行っていくかを取り上げています。 最終章となる13章は、海外からの対日不動産投資の状況やアジア圏の不動産制度を取り上げ、日本の制度との違いや投資にあたっての注意点を紹介する章となっています。
また、これら各章の合間に24件のコラムが設けられており、鑑定・調査の報酬目安、信託受益権のメリットといった個別の疑問点にも解説が加えられているのがありがたいところです。
不動産価格の決まり方を通じ、Jリートが開示で出しているデータの意味やそれらがどのように作られているのか肩ひじ張らずに学べるおすすめの一冊です。
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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