今回は、ケネディクス不動産投資顧問株式会社 浅野 晃弘氏に業界動向やファンドの特長に関してインタビュー形式でお話していただきました。
先ほど小売マーケットのトレンドに2つあると申し上げましたが、2つ目のGMSの衰退による専門店の需要の向上についてお話しさせていただきます。
最近はGMSが不調で、決算が良くない状況と報道されていますが、一方で食品スーパーや衣料品、家具、ドラッグストアなどの専門店は好決算を発表しています。
シェアが縮小しているGMSに対して、売り上げを伸ばしている専門店といった具合にここにきて明暗がはっきりしてきています。
従来、GMSの売りは日常生活に必要なものが1箇所で揃うことと言われ、1960年代後半に業態として生まれました。
1980年代に入り、GMSはその全盛期を迎えましたが、1990年代以降は衣料品、家電など商品ごとにナショナルチェーン型専門店※がかなり伸びてきました。このようなナショナルチェーン型専門店のほうが、商品のラインナップが豊富で価格も競争力があるので、消費者が専門店に流れていきました。
結果、GMSでは1階の食品売り場を除き、2階以上のフロアで苦戦を強いられることになってしまいました。
※ ナショナルチェーン型専門店:一般的に全国規模で店舗展開しているチェーンストア。大手量販店。
本投資法人は後発の商業施設特化型リートとして、以上のような小売マーケットのトレンドにのったコンセプトにしようと考えました。つまりGMS単独店には投資をせず、食品スーパーにドラッグストアや衣料専門店、ホームセンターなどが付随したNSCなどの生活密着型商業施設への重点投資を掲げました。
映画館やショッピングモールが付随したようなリージョナルショッピングセンター(RSC)(以降、RSC)は今後も生き残っていく業態として評価しています。
RSCは週末時間消費型と言われており、週末ご家族で買い物だけでなく、映画や食事などのサービスも楽しめます。
一方、RSCは規模が大きいため施設内での移動が長くなったり駐車場までが遠かったりなどで、日常的に訪れるには、食品売り場の前に平面駐車場があり、10~15分の滞在で帰ることができる中小型の商業施設の方があっていると思います。
先行している3つの商業施設特化型リートは週末時間消費型店舗が多く、スポンサーが開発した大型ショッピングモールのオフバランス案件や戦略的に都心のブティック店舗などをターゲットとされているリートもあります。
しかし、小売マーケットの商業施設のシェアでは、日常型の食品スーパーやNSCが棟数ベースでは圧倒的に高く、ボリュームゾーンはこちらのほうにあると思います。
また、米国のリートを見ると週末時間消費型特化、日常型特化、ロードサイド型特化、NSC特化など商業施設のタイプごとにリートがラインナップされ、商業施設特化型リート全体で30以上あります。
Jリートは米国リートに比べてまだ歴史が浅く、商業施設は週末時間消費型が多かったこともあり、4番目の商業施設特化型リートとしては同じタイプの商業施設よりは、ボリュームゾーンである日常型商業施設にコンセプトを絞ったリートを立ち上げたほうが良いと思いました。
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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