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2016年03月23日

三井物産、国内不動産アセットマネジメント事業を再編

3月14日週のニュース概観

(写真/PIXTA)

概況

3月14日、三井物産が国内不動産アセットマネジメント事業について4月1日付で組織再編を行うと発表した。従来は三井物産の傘下に三井物産ロジスティクス・パートナーズ株式会社(以下、三井物産LP。日本ロジティクスファンド投資法人の資産運用会社)と三井物産リアルティ・マネジメント株式会社(以下、三井物産RM。私募ファンドを運用)があり、それぞれ物件投資やそれに関する戦略立案を行っていた。
4月からは、三井物産LPと三井物産RMの経営資源、そして三井物産が有していた戦略立案機能の一部を集約した新会社「三井物産アセットマネジメント・ホールディングス株式会社(三井物産の100%子会社)」が発足し、三井物産LPと三井物産RMは新会社の傘下で事業を進めていく。
最近、J-REIT運用会社の資本・業務提携関係に変更が続いているが、今回の三井物産の動きもその一つとして位置付けられよう。

続いて16日、東証よりスターアジア投資法人の新規上場承認が発表された。当該投資法人のスポンサーは外資系不動産投資企業グループのスターアジア。ポートフォリオは地域別では東京圏が7割を占める一方、用途別では単一用途の比率が50%以下となる分散型を予定している。今後、4月11日に公開価格が決定し、20日に約615億円の資産規模(取得価格ベース)で上場を迎える予定。

また当該週は国土交通省の動きが相次いだ。まず16日に「公的不動産(PRE)の民間活用の手引き~民間による不動産証券化手法等への対応~」、そして18日に「地方都市の不動産証券化ガイドブック」がそれぞれ同省HP上で公表されたのである。前者は主に地方公共団体職員、後者は地方の民間業者・金融機関の利用を想定したものだが、内容自体はともに不動産証券化スキームの概略と具体的な活用事例を取り上げ類似したものとなっている。
現在、少子高齢化を背景として、多くの地方公共団体はシビアな財政状況下での老朽化した公共施設の更新、集約や再編という問題を抱え、民間では地銀や年金基金等の機関投資家が安定した運用利回りの確保に頭を悩ませている。そんな両者のニーズをともに満たす方策としてPRE活用への注目が高まっているが、今回の資料公表が少しでも多くの案件具体化、ひいてはREIT資産の更なる多様化に繋がることを期待したい。

物件動向

3月14日週の物件動向は以下の3件が報じられた。

a.京都府京都市:「京阪淀ロジスティクスヤード」計画
3月14日、京阪電鉄が京都市伏見区において建設を進めていた当該物流施設について4月1日付で全面開業を迎えると発表した。施設はA、B、Cの3棟からなり、階数はいずれも地上2階、3棟合わせての延床面積は約4.3万㎡。名神高速道等の「大山崎IC」から1.5kmの地点に位置している。テナントは既に確定しており、A棟をつばめ急便、B棟とC棟を日通がそれぞれ利用する。
b.東京都渋谷区:「道玄坂一丁目駅前地区第一種市街地再開発事業」計画
3月16日、東急不動産が着工を発表した再開発計画。道玄坂1丁目の敷地面積約3.3千㎡の敷地に地下4階地上18階、延床面積約5.9万㎡のビルを建設するもの。竣工は2019年度を予定しており、竣工後はオフィスや店舗等からなる複合施設として利用される。また1階の一部をバスターミナルとして空港へのアクセスも考慮した設計が特徴。
c.兵庫県尼崎市:「(仮)CPD尼崎物流センタープロジェクト」
3月18日に物流不動産特化型資産運用・投資助言会社センターポイント・ディベロップメントが発表した物流施設開発計画。旧パナソニックプラズマディスプレイ工場跡地約12.4万㎡に地上6階建て、延床面積約28.2万㎡の物流施設を建設するもの。当該開発地は阪神高速「末広町IC」200mの地点に位置する。今後、5月に着工して2016年10月に竣工を迎える予定。
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