5月16日週のニュース概観
(写真/PIXTA)
5月18日、内閣府の特別機関であるPFI推進会議(首相を会長とし、全国務大臣が委員を務める)がPPP/PFI推進アクションプランの改定版を発表した。
そもそもPPP及びPFIの意味だが、PPPは「Public–Private Partnership」の、そしてPFIは「Private Finance Initiative」のそれぞれ略称で、民間の資金・経営ノウハウを活用して効率的に社会資本の整備、公共サービスの運営を行っていく手法を指す。イギリスではじまった制度で1999年に日本にも導入され、2013年には政府が「2022年度までに事業規模10兆~12兆円達成」という目標を発表していた(制度導入から2014年度末までに実現した案件は件数489件、事業規模は約5.8兆円)。
約734兆円に及ぶ公的部門保有の不動産やインフラ資産の動向、ひいては各地の再開発事業やインフラ投資市場の今後に大きな影響を与えるPPP/PFI推進アクションプランだが、今回発表された改定版では以下の点が注目される。
・全体の事業規模目標を「2013年度から2022年度までに21兆円達成」に修正。
・PPP/PFIへの資金流入確保のため、インフラファンド育成、投資市場の整備が必要と指摘。
・国公有不動産や国立大学法人等が保有する公的不動産の最適利用が重要との認識示す。
・PPP/PFI事業の重点分野として空港、上下水道、道路、文教施設、公営住宅を列挙。
・公的不動産活用の事業規模目標を4兆円に設定。
また同日、平和不動産の2016年3月期決算説明会があった。従来に引き続き「日本橋兜町再活性化プロジェクト」が取り上げられ、今後も国際金融拠点の形成に向けて兜町から茅場町一丁目にかけての再開発を推進していく方針であることが社長の口から語られた。その中で高度金融人材の受入促進のために外国人向け宿泊・滞在機能の整備も進めていく考えも示されたが、これが総合型である平和不動産リート投資法人のポートフォリオ(レジデンシャルが約55%を占める他、ホテルも4物件保有)にどう影響してくるか興味深い。
5月20日、日銀が「貸出先別貸出金(業種別、設備資金新規貸出)一覧」を発表した(四半期ごとに発表)。これによると、2016年3月末時点の金融機関の不動産業向け貸出残高は約68兆円。2006年から2008年にかけての所謂ファンドバブル期を上回る水準を維持するとともに、16四半期連続で前年同期を上回る数字となった。不動産業の資金需要が旺盛で金融機関もそれに積極的に応じている構図が浮き彫りとなった形である。
5月16日週は以下の1件の物件動向が報じられた。
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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