7月11日週のニュース概観
(写真/PIXTA)
7月12日、三菱商事及び三菱地所が現地大手企業と組んでミャンマー・ヤンゴン市で大規模複合施設の開発に乗り出すと発表した。計画はヤンゴン市の中心部約4haの敷地にオフィス2棟、分譲住宅1棟及び商業施設を建設するというもので、総延床面積は20万㎡超。2016年度中の着工と2020年度中の竣工を予定している。
当該計画には、インフラ輸出振興のために2014年10月に日本政府と民間企業が設立した株式会社海外交通・都市開発事業支援機構も出資者として参加しており(同機構にとって4件目の投資案件であり、都市開発分野としては初の投資案件)、日本政府も当該計画に注目していることが窺える。
なお開発計画の舞台となるヤンゴン市は、19世紀以来交易拠点として栄えた都市で、1948年にミャンマー(当時はビルマ)がイギリスから独立した際に首都となった。2006年に内陸のネピドーに首都機能が移転されたものの、航空、水運、道路、鉄道のハブとしてヤンゴン市は依然ミャンマーにおける経済的中心を占めている。
三井物産と三井不動産が大手町で進めている大型再開発計画「(仮称)OH-1計画」だが、7月12日、B棟にカナダのフォーシーズンズ・ホテル・アンド・リゾーツが「フォーシーズンズホテル」ブランドを出店するという発表が三井不動産からあった。発表によれば、ホテルが出店するのは3階と34~39階(B棟は地下5階地上39階建て)。客室は34~38階に約190室が用意され、2020年春に開業する予定だという。
国家戦略特別区域の特定事業として東京の国際競争力強化への貢献を掲げている「(仮称)OH-1計画」にとって、世界各国で高い評価を受けている「フォーシーズンズホテル」の出店は「外国企業誘致・ビジネス交流のためのMICE機能強化」という点で追い風となりそうだ。
7月15日、一般社団法人不動産証券化協会(以下、ARES)が平成 29 年度「制度改善要望」および「税制改正要望」を決定した。これは不動産証券化市場の活性化のために政策や税制の改善を求めてARESが毎年度決定、公開しているものである。
どちらの「要望」にも様々な改善提案が記載されていて興味深いが、今回目を引くのは、「税制改正要望」に「投資法人が「ヘルスケア施設等」を用途とする不動産を取得した場合の不動産取得税の軽減措置の拡充」が新しく加えられたことである。
政府の後押しもあって2014年11月以来、既に3つのヘルスケア施設特化型REITが東証に上場している。しかし、いずれも現在の資産規模は186億円~350億円と小さく、今後の成長見通しについても上場時の「今後3年で資産規模1,000億円達成」という目標を事実上撤回するに至ったREITも出ているなど芳しくない。それだけに、今回ARESが出した「税制改正要望」がヘルスケア施設特化型REITへの梃入れに繋がるか注目される。
7月11日週は以下の2件の物件動向が報じられた。
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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