8月22日週のニュース概観
(写真/PIXTA)
8月22日、三菱地所株式会社(以降、三菱地所)が株式会社東京流通センター(以降、東京流通センター)の株式を8月15日付で追加取得し、同社を連結子会社化したと発表した(追加取得後の三菱地所の保有比率は議決権ベースで55.92%)。
東京流通センターは、高度経済成長下で急速に拡大する物流ニーズに対応するため、東京商工会議所や政府、東京都の支援を受けて1967年に設立された会社である。現在は大田区平和島を中心に物流施設4件、オフィスビル3件、展示場2件を保有している(2016年3月期の貸借対照表によると、総資産約429億円の46%程度を建物、土地、建設仮勘定が占めている)。
三菱地所は、今回子会社化した東京物流センターを物流施設事業における戦略的子会社と位置付け、2013年に本格参入を開始した当該事業の更なる強化を図る考え。
また三菱地所グループは今年7月に「MJ物流リート投資法人」(決算期は2月、8月。資産運用会社は三菱地所投資顧問。投資主名簿管理は三菱UFJ信託銀行が担当)を設立した。東京流通センターが現在保有している物流施設が、将来的にMJ物流リート投資法人のポートフォリオに組み込まれることがあるのか、その点も興味深い。
8月24日、国土交通省が「不動産鑑定評価制度懇談会」第1回会議を8月29日に実施すると発表した。同懇談会は不動産鑑定評価制度の充実に向けた課題や施策等の検討を目的とし、有識者で構成される。国土交通省の発表によると、議事自体は非公開で行われるものの、会議資料及び議事要旨が後日公開されるという。
政府や国土交通省はこれまでにも不動産投資市場の更なる活性化、成長のためには鑑定評価の充実、証券化対象不動産やオペレーショナルアセットの評価に精通した鑑定士の計画的な育成等が必要との考えを示してきた。そうした考えが「不動産鑑定評価制度懇談会」を通じて具体的な政策として実を結んでいくことが期待される。
8月26日、株式会社日本エスコン(以降、日本エスコン)が総合型REITの組成と上場に向けて準備を進めると発表した。
当該REITの特徴は、総合型を謳いつつも地域密着型商業施設の底地を主要投資対象とする点である。地域密着型商業施設を投資対象とするJ-REITとしては既にケネディクス商業リート投資法人があり、底地にフォーカスしたものとしては日本商業開発が底地特化型私募REITの設立準備を開始している。だが「地域密着型商業施設の底地」を主要投資対象とするJ-REITは存在せず、多くの投資家に多様なアセットクラスへの投資手段を提供するという意味で、今回の日本エスコンの動きは注目される。
8月22日週は以下の3件の物件開発動向が発表された。内訳は商業施設1件、住居1件、物流施設1件。
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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