9月12日週のニュース概観
(写真/PIXTA)
9月12日、物流不動産を対象に投資、開発、各種運営サービスの提供を行っている株式会社シーアールイー(以下、CRE)がNCF不動産投資顧問株式会社(以下、NCF)の株式100%を9月30日付で取得すると発表した。
NCFは福岡市を拠点とする投資助言・代理業業者。2015年3月31日現在の「投資助言・代理会員台帳」(一般社団法人日本投資顧問業協会作成・発表)によると、NCFの2014年5月期営業収益は1,966.6万円(うち投資助言報酬が1,400万円)、当期純利益は331.4万円。また主な株主として福岡地所株式会社(議決権保有比率19%)、株式会社西日本シティ銀行(同5%)等が挙げられている。
今回の買収成立後、CREは私募ファンド事業を担当するNCF、公募ファンド(J-REIT)事業を担当するストラテジック・パートナーズ株式会社の2本柱でアセットマネジメント事業のさらなる強化を図る考え。
9月13日、ケネディクス株式会社(以下、ケネディクス)が、自然電力株式会社と提携して組成した「ケネディクス自然電力ファンド」の一号案件決定を発表した。
一号案件の内容は、KSF1合同会社(ケネディクス組成)が栃木県で進めている太陽光発電所計画に今年12月末付で出資するというもの。なお当該太陽光発電所計画の現況だが、稼働済みが1物件で建設中が3物件。建設中の3物件は今年12月の稼働開始を予定しており、4物件合わせたパネル出力は6.13メガワットになる。
また、ケネディクス自然電力ファンドは今回の案件以外にも複数の太陽光発電所計画について優先交渉権を獲得済みだという。
9月15日、東証より九州旅客鉄道株式会社(以下、JR九州)の上場が承認された(上場予定日は2016年1月25日)。
JR九州というと鉄道会社の印象が強いが、その実、不動産事業も大きな存在感を持つ企業である。2016年3月期連結決算情報から具体的な数字を拾っていくと、まず総売上高約3,780億円のうち運輸サービスが約1,810億円で約47.9%の割合を占め、駅ビル・不動産が約620億円で約16.4%を占めている。これだけを見ると「JR九州=鉄道会社」というイメージが正しく思えるだろう。
しかし営業利益に目を転じると、運輸サービスは約105億円の損失を出す一方で駅ビル・不動産が約204億円の利益を出し、他諸部門の利益等も反映した営業利益総額は約209億円となっている。
つまりJR九州は、利幅の厚い不動産事業に支えられて鉄道事業を営んでいる企業なのだ(もっとも程度の差はあれ、鉄道事業より不動産事業の方が利幅が厚いのは、他の鉄道会社でも見られる傾向である)。
次に資産状況を確認すると、総資産額約6,467億円に対して不動産(建物及び構築物(純額)、土地、建設仮勘定の合計)が約2,639億円と4割以上を占めている。
上場後のJR九州に対しては、その収益性や資産の有効活用について内外の投資家、株主から注目、注文が集まることが想像に難くない。その場合に同社が不動産資産をオフバラ化も含めてどう動かしてくるのか注目される。
9月12日週の物件開発動向だが、以下の2件の発表があった。いずれも地方を舞台とした大型物流施設の開発案件である。
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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