10月17日週のニュース概観
(写真/PIXTA)
10月19日、株式会社日本政策投資銀行(以下、DBJ)と三菱UFJリース株式会社(以下、三菱UFJリース)が共同で医療・介護特化型投資ファンドを組成することで合意したと発表した。
DBJと三菱UFJリースは2014年5月に地域医療機関への劣後ローン提供を目的として「地域ヘルスケア成長ファンド」(運用資産総額100億円)を共同で組成したが、今回組成合意が発表されたファンド(当初運用資産総額250億円の予定)では、劣後ローンの他に、既存不動産の流動化や再生型債券投資、ヘルスケアREIT等と連携した開発型不動産流動化といった多彩なサービスを医療機関やヘルスケア施設に提供する。
東証には現在ヘルスケア特化型REITが3銘柄上場している。そのうちどこが最初にDBJ・三菱UFJリースファンドとの協力関係を構築し、外部成長加速に繋げることができるのか、要注目である。
同じ10月19日、東証から東証REIT指数に関して2件の発表があった。
1つは、10月19日からの「税引後配当込東証REIT米ドルヘッジ指数」算出開始である。
この意義だが、ヘッジ指数がない状態で海外投資家が日本株投資の成績を測定した場合、日経平均やTOPIXといった比較対象インデックスを測定時点の為替レートで換算するといった手間が発生し、かつ投資成績が銘柄選択の巧拙と測定時の為替レートのどちらからより強く影響を受けたか分かりにくくなるという問題点があった。
そのため東証は、市場活性化の一環として海外投資家が為替動向に惑わされず簡単、正確に投資成績を測定できるようにし、TOPIX(配当込)等を対象として為替ヘッジ指数を算出・提供してきた。
そこに今回、税引後配当込東証REIT指数の米ドルヘッジ指数が加わった。これにより米ドルを日常的に使用する投資家も、税引後配当込東証REIT指数を指標としてJ-REIT投資が上手くいったか否か、為替レートを意識することなく測定可能になったのである。
もう1つは、2017年1月から東証REIT指数の算出方法を「時価総額加重型」から「浮動株時価総額加重型」へと移行させていくというものである(完了は2017年5月最終営業日を予定)。
現在の東証REIT指数は、発行済投資口全てを対象として算出しているが、それでは一部投資家が売却の意図を持たず永続的に保有している投資口も含んでしまい、必ずしも日々の取引の実勢を反映しない数字になってしまう恐れがあった。
そこで新しい算出方式では、積極的な売買の対象とはなりにくい主要投資主上位10位、投資法人役員、資産運用会社役員の保有する投資口、そして各投資法人の自己保有投資口を算出対象から外し、それ以外の日々活発な取引の対象となっている投資口(所謂「浮動株」)のみで指数を算出することとしたのである(ただし主要投資主上位10位の保有投資口については東証判断による調整あり)。
今回の東証の指標整備といった地道な努力が、J-REIT市場の長期的な底支えと活性化に繋がることを期待したい。
10月17日週の物件開発動向だが、主だったものとして以下の2件が発表された。
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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