12月5日週のニュース概観
(写真/PIXTA)
12月8日、自民・公明両党が平成29年度税制改正大綱(以下、大綱)を正式に決定し、発表した。
当該大綱の中でJ-REITに直接関係するのは、投資法人等が一定の不動産を取得する場合の不動産所得税の課税標準軽減措置について適用期限が2年延長されたこと、そして軽減措置の対象となる「一定の不動産」にヘルスケア施設が追加されたことである。これが外部成長で苦戦の目立つヘルスケア施設特化型REITへの追い風になるか注目したい。
またREITと共通点の多い上場インフラファンドについても動きがあった。現状の上場インフラファンドは市場の拡大、投資家への普及について様々な課題を抱えている。そのうちの一つが、導管制要件(利益に課税されることなく分配に回すことが可能となる要件)を満たすには2017年3月31日までの再生可能エネルギー発電設備取得が必要なことであった。これにより、上場インフラファンドの組成を考えるも2017年3月31日までに準備が間に合わない事業者は様子見を余儀なくされていた。この取得期限について大綱では3年の延長が明記されたのである。上場インフラファンドの組成を考えている事業者にとって一旦政策上の不透明性が晴れた形であり、今後の上場インフラファンド市場拡大に繋がることが期待される。
総じて、不動産やその関連分野では各業界団体、諸省庁の要望が概ね反映された大綱だが、一点、「新型・大規模物流施設整備促進税制の創設」は盛り込まれなかった。eコマースの進展による配送の小口化多頻度化に対応可能な高機能物流施設の需要が高まっている昨今、その開発・投資に対する政府支援の今後が気になるところである。
同じ12月8日、森トラスト株式会社(以下、森トラスト)が米国で推進している不動産投資事業の発表を行った。
発表によると、米国での不動産保有、賃貸、その他関連事業の統括会社として子会社MORI America LLCを去る11月7日に設立し、当該子会はマサチューセッツ州ボストン市のオフィスビル2棟の購入契約を締結したという(契約締結日2016年11月15日、物件取得予定日2017年1月5日)。
森トラストは既に中長期ビジョン「Advance2027」にて総額8,000億円程度の投資を実施していく考えを示しているが、そのうち北米をはじめとした海外への投資を2,000憶円規模まで拡大させて安定した資産ポートフォリオの構築を目指すという。
12月5日週の物件開発動向だが、主だったものとして以下の発表があった。
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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