2016年10月13日(木)開催
株式会社ニッセイ基礎研究所の加藤氏をモデレーターとして行われたパネルディスカッションでは、まず日本大学の中川氏より東京だけではなく地方中核都市への人口移動が急速に進んでいる現状が紹介されました。その現状を踏まえ、前田建設工業株式会社の岐部氏からは、コンセッションを活用した地方公共インフラの効率的なメンテナンスや利用の事例、コンセッションを初めとした日本でのインフラ投資に海外の年金基金が強い興味を示していること、前田建設工業株式会社としてもインフラを対象とした私募ファンドや上場投資法人の組成を目指している、といったお話がありました。
現時点で東証インフラファンド市場に上場している、または上場予定が判明している銘柄は全て自然エネルギー施設を投資対象としたものですが、将来的に前田建設工業をスポンサーとして公共インフラ施設を投資対象とする上場インフラファンドが登場するか、興味深いところです。
アルファコート株式会社の樋口氏からは、人口集積が進む地方中核都市のひとつである札幌市を中心とした自社の事業展開を説明、そして札幌市における大規模再開発の変遷(住居からヘルスケア施設、ホテルへ)の紹介がありました。
その紹介の中では、2007年のファンドバブル期に始まった創成川東地域でのマンション開発を通じて地方の開発業者や金融機関にも不動産証券化のノウハウが蓄積され、それが後年のヘルスケア施設開発やインバウンド需要を睨んだホテル開発に生かされているという指摘が印象的でした。
こうした不動産証券化ノウハウの普及や蓄積、多彩なJリートの登場による地方物件取得の活発化が、地方開発業者の活性化、ひいては地方経済の浮上に繋がることが期待されます。
また株式会社やまとごころの村山氏は、訪日外国人観光客の数が右肩上がりを維持する一方で一人当たり消費額は伸び悩んでいることに触れ、その要因として訪日外国人の消費パターンが日本での買物を重視した所謂「爆買い」から日本でしかできない体験にお金を払う「コト消費」に転換しつつあることを指摘しました。
そして対応策として、宿泊施設の増設といったハード面での対応に加え、宿泊先でどんな体験を提供できるか、東京や大阪以外の地方にも興味を持った外国人観光客にどうやってきめ細やかな情報を伝えていけるかといったソフト面での対応強化がより重要になるとの考えを示しました。
最後に、こうした地方における人口動態、公共インフラ管理・利用の変化を成長のチャンスに変え、観光や投資で海外需要を積極的に取り込んでいくため、Jリートがより積極的な役割を果たしていくことへの期待がモデレーターやパネリストから示され、パネルディスカッション、そしてシンポジウムは幕を下ろしました。
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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