今回は、タカラアセットマネジメント株式会社 取締役投資運用部長 髙橋 衛氏にインフラファンド市場とファンドの特長に関してインタビュー形式でお話していただきました。
FIT制度が導入され、それを追い風に様々な法人やファンドが太陽光発電所の開発を活発化させてきましたが、そうなってまだ日が浅いこともあり、発電所のセカンダリー市場自体はほぼ存在しない状態が続いてきました。
流れが変わってきたのは、手前味噌ですが本投資法人が東証インフラファンド市場に第一号で上場し、一種のベンチマークとして認知されるようになってからだと考えています。
本投資法人の上場後は、開発した発電所のEXITを狙うファンド等から提供される情報も格段に増え、本投資法人のセカンダリー市場からの情報に基づき、スポンサーにおいて取得実績も出てきました。
東証インフラファンド市場に上場し、または上場を検討する方たちも増え、太陽光発電所を投資対象とする私募ファンドの組成等も活発化していることを考えると、太陽光発電所のセカンダリー市場も今後さらに拡大していくのではないでしょうか。
導管性要件の有効期間、該当要件の緩和で改善・整備して頂きたい点があります。
まず導管性の恒久化からお話ししたいと思います。現在の税制では、「再エネ発電設備等の運用方法が賃貸のみである」、「投資口が上場されている」、等の条件を満たす投資法人についてのみ、「再エネ発電設備等の賃貸開始日以後20年以内に終了する事業年度までに限り」導管性の確保が許されています。
別の言い方をすると、現状の税制では、運用開始から20年後に投資法人の利益に法人税が課されてしまいます。これでは利益に対する2重課税回避という投資法人特有のメリットが満足に享受できません。
上場インフラファンドについても、J-REITと同様に導管性の恒久化を望むところです。
導管性の該当要件で改善・整備を望む点は2点あります。
上場投資法人は自ら発電所等を所有する以外に、発電所等の保有を目的としたSPCの出資持分も取得することが認められています。いわゆる「間接保有方式」です。ただし、この場合であっても運用方法については「賃貸スキーム」が要求されているため、すでにSPC「自体」が発電事業をおこなっている場合、これを改めて「賃貸スキーム」に変更する必要があります。これに伴う事務作業の煩雑さが、発電所等を保有するSPCの出資持分に対する買収のハードルを上げ、ひいては上場インフラファンドの外部成長の足枷となっています。
2つ目に改善を望むのは、インフラファンドのSPC持分取得制限です。現行では、SPCに投資する場合、上場インフラファンドによる取得持分が50%未満の場合のみ導管性が認められることになっています。これについても、より柔軟な持分取得でも導管性が認められるよう要件が緩和されることが望まれます。
もし以上の2点の改善がなされれば、発電所等の所有を目的としたSPCの買収がしやすくなり、インフラファンドの外部成長が加速するのはもちろん、先ほど話題に上がった太陽光発電所のセカンダリー市場もより活況を呈してくるのではないでしょうか。
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