スマートフォン版を表示

2017年01月16日

三井不動産、台湾で初のホテル事業展開へ

1月10日週のニュース概観

(写真/PIXTA)

概況

1月10日、三井不動産株式会社(以下、三井不動産)が同社としては初めて台湾でホテル事業を行う計画であると発表した。
発表された計画によると、三井不動産は現地デベロッパーの宏普建設股份有限公司(以下、宏普建設。1996年3月に台湾証取へ上場)と提携して事業を進めていくということで、まず宏普建設が台北市中心部、忠孝新生駅に至近の敷地約1,470㎡に地下5階地上17階、地上階延床面積約1.4万㎡、客室数約300室のホテルを開発し、完成したホテルを三井不動産グループが賃借して運営を行っていく。
当該ホテルの開業は2020年を見込んでおり、三井不動産は台湾内外の観光・ビジネス需要の取り込みに期待を示している他、今後も台湾でホテル、分譲住宅、物流施設等の開発を進める考えも同時に明らかにした。
なお三井不動産は事業ポートフォリオの分散化、安定化を図るため、2015年から2017年にかけて約5,500億円の海外投資を行う方針を示し実行している。台湾においては今回の案件の他、2016年1月に商業施設「三井アウトレットパーク 台湾林口」をオープンし、9月には同じく商業施設「(仮称)三井アウトレットパーク 台湾台中港」の開発に着手している(2018年オープン予定)。

物件動向

1月10日週の物件開発動向だが、以下の3件の発表以外にも、トーセイ株式会社から東京都千代田区内神田で2017年冬にホテル開業予定であること、京浜急行電鉄株式会社からも東京都港区芝大門で2019年春開業を目指してホテル開発に乗り出すことがそれぞれ発表された。総じて、ホテル開発が依然として活発であることを感じさせる週だったと言えよう

a.東京都港区:「銀座8丁目ホテル計画」
1月10日、アパートの建築請負や賃貸を中心に事業を展開している株式会社レオパレス21(以下、レオパレス21)が開発型SPCを利用したホテル開発計画を発表した。
発表によると当該開発の対象となるのは銀座8丁目、銀座駅や新橋駅から徒歩7分の敷地約639㎡。そこに地下1階地上14階、客室数190室のホテルを建設するという(開業は2019年秋の予定)。敷地周辺に商業施設が集積していることから、レオパレス21はインバウンド需要取込みに期待を示している。
当該案件で特徴的なのは、開発型SPCを利用した開発という点である。開発型SPCを利用した不動産開発では、開発資金を金融機関、投資家から完成後の物件の売却代金、賃料収入を裏付けとして調達するため、事業者にとっては初期投資額を抑えつつ積極的な不動産開発が可能となる利点がある。一方で「将来の不動産収益」という不確実な事柄に基づいて金融機関や投資家から資金を出してもらうため、資金提供と引き換えに非常に厳格な契約条件の設定・履行、高い利回りの利息や配当が求められもする。
レオパレス21は当該案件を開発型SPCを活用した不動産開発事業の第1弾と位置付けており、今後も同様のスキームによる不動産開発を積極的に進める方針。
b.大阪府大阪市:「ファーストキャビン阪神西梅田(仮称)」計画
1月10日、阪神電気鉄道株式会社(以下、阪神電鉄)が簡易型ホテル事業(旅館業法上の簡易宿所営業に該当)への参画と、その第1弾として大阪市福島区で直営の簡易型ホテル「ファーストキャビン阪神西梅田(仮称)」を開発することを発表した。
今回の発表によると、事業第1弾となるファーストキャビン阪神西梅田(仮称)は、現在駐車場として利用している阪神本線福島駅に至近の敷地に、延床面積約1,500㎡、客室数147室という規模で建設される。開発スケジュールとしては今月内の着工と今秋の開業を予定しているという。
簡易型ホテルとは所謂「カプセルホテル」のことで、利用価格の安さに加えて予約が不要という気軽さもあって利用者も多い。一方で利用者の多くは従来より男性であったが、阪神電鉄は男女別専用エリアの設置やカフェの併設等、女性客の取込みを重視して事業を展開する考え。
c.北海道千歳市:「ロジスクエア千歳」計画
1月11日、株式会社シーアールイー(以下、CRE)が北海道千歳市で物流施設「ロジスクエア千歳」開発用地を取得したと発表した。
発表によると、取得された用地は道央道「新千歳空港IC」から約2kmに位置する広さ約5万㎡の土地。道央道を通じて札幌市や新千歳空港はもちろん、道内最大の貨物取扱量を誇る苫小牧港へのアクセスも容易な立地で、そこに平屋建て、延床面積約2.1万㎡の物流施設を開発する(着工は2017年4月上旬、竣工は2018年1月下旬をそれぞれ予定)。
ロジスクエア千歳竣工後に入居するテナントは既に確定しており、CREはテナント企業の意向も取り入れながら、寒冷地対応としてロードヒーティングや高断熱性サンドイッチパネル等の導入、環境に配慮した省エネ指標BELS評価の取得も盛り込んで開発を進めていくという。
  • PR

  • PR

決算発表動画
物件取得価格ランキング
1 新宿三井ビルディング 1,700億円
2 飯田橋グラン・ブルーム 1,389億円
3 六本木ヒルズ森タワー 1,154億円
4 汐留ビルディング 1,069億円
5 東京汐留ビルディング 825億円
株価値上り率ランキング
1 オリックス不動産 +0.79%
2 CREロジ +0.79%
3 アクティビア +0.61%
* 当サイトはJ-REIT(不動産投資信託)の情報提供を目的としており、投資勧誘を目的としておりません。
* 当サイトの情報には万全を期しておりますがその内容を保証するものではなくまた予告なしに内容が変わる(変更・削除)することがあります。
* 当サイトの情報については、利用者の責任の下に行うこととし、当社はこれに係わる一切の責任を負うものではありません。
* 当サイトに記載されている情報の著作権は当社に帰属します。当該情報の無断での使用(転用・複製等)を禁じます。