2月13日週のニュース概観
(写真/PIXTA)
2月13日、カスピ海に面した産油国アゼルバイジャンのソブリン・ウエルス・ファンド(SWF)「アゼルバイジャン国家石油基金(SOFAZ)」が、日本・中国・シンガポールで物流不動産の開発・投資を手掛けるESR株式会社(以下、ESR)の日本ポートフォリオに投資を行うと発表した。
発表によると、SOFAZは、日本の物流不動産に対して投資を行うESRの「レッドウッド・ジャパン・ロジスティクス・ファンドⅡ(RJLFⅡ)」に1億米ドル(113億円相当)の投資を委託するという(RJLFⅡの資産規模は10億米ドル前後)。
海外SWFによる日本物流不動産投資としては、カナダの公的年金運用機関「カナダ年金制度投資委員会(CPPIB)」という先例がある。CPPIBはグローバル・ロジスティック・プロパティーズ・リミテッド(GLP)と提携して2011年から日本物流不動産への投資を開始しており、両者の合弁ファンドはこれまでに「GLP総社」や「GLP三郷Ⅲ」といった先進的大型物流施設を世に送り出してきた。
こうしたSWFの動きの背景には、世界的な低成長・低金利とその中で日本を含めたアジア圏の物流不動産市場が貴重な成長分野になっていることがある。
資産規模351億米ドル(4兆円相当。資産額は国際的なSWF研究機関ソブリン・ウェルス・ファンド・インスティチュートによる)に及ぶSOFAZは、2015年にオリックス株式会社等から東京銀座の商業施設「キラリトギンザ」を4億米ドル以上(当時レートで523億円相当)で取得している。今回ESRというパートナーを得た彼らがどこまで日本物流不動産市場に資金を投じてくるのか興味深い。
2月13日、米卸売大手の株式会社ヤマタネ(以下、ヤマタネ)が4月1日付機構改革で物流本部の下に物流不動産部を新設すると発表した。
相場師として有名な山崎種二が創設したヤマタネは、米卸売を中心に様々な事業を展開しており、倉庫業で準大手の位置につけている他、保有物件10件を活用してオフィス賃貸業を展開している。
それだけに保有資産における不動産(土地、建物及び構築物(純額)の合計額)の存在感も大きく、2017年3月期第3四半期の連結貸借対照表では、不動産の額は約651億円で総資産の約69%を占めている。今回決定された物流不動産部の新設が、ヤマタネの不動産事業戦略にどのような影響を与えるのか注目される。
2月14日、京王電鉄株式会社(以下、京王電鉄)が東京都大田区蒲田で1棟丸ごとの民泊マンションをオープンさせると発表した。
発表によると、当該民泊マンションは、大田区から所謂「特区民泊(正式名称:大田区国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業)」として特定認定を受け、合法民泊サービスを展開する株式会社百戦錬磨と連携して運営されるという。立地は京急蒲田駅から徒歩4分、JR蒲田駅から徒歩7分の立地。規模は地下1階地上6階、延床面積は約578㎡、客室数は14室というもの。「KARIO KAMATA」という名称で2月22日から営業を開始する(予約受付は2月15日から)。
鉄道業界からは初の合法民泊事業進出だが、京王電鉄は今後の法整備状況を踏まえつつ、京王線沿線地域での合法民泊事業展開を加速させていく考え。
2月13日週の物件動向だが、主なものとして以下の発表があった。
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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