2月27日週のニュース概観
(写真/PIXTA)
2月28日、複数REITの資産運用会社を務めるケネディクス不動産投資顧問株式会社が、当日付で開催した取締役会でホテルに係る優先検討権を変更したと発表した。変更の結果、各運用担当部署のホテルに係る優先検討権順位は以下のようになる
<従来>
1位 プライベート・リート本部(ケネディクス・プライベート投資法人の運用を担当)
2位 私募ファンド本部(各私募ファンドの運用を担当)
3位 (設定なし)
<変更後>
1位 プライベート・リート本部
2位 レジデンシャル・リート本部(ケネディクス・レジデンシャル投資法人の運用を担当)
3位 私募ファンド本部
これに平仄を合わせる形で、同じ2月28日、ケネディクス・レジデンシャル投資法人が3月28日開催予定の投資主総会で規約の一部変更を議決事項に加えると発表した。順当に規約の一部変更が投資主総会で可決されれば、従来は住居一本槍だったケネディクス・レジデンシャル投資法人の投資対象に、ホテル等宿泊施設が加わることになる。
過去を振り返ると、住居主体のポートフォリオを運用していたJ-REITがホテル等宿泊施設も投資対象に加えた先例としてインヴィンシブル投資法人がある。2014年にホテル等宿泊施設を投資対象に加えたインヴィンシブル投資法人は、ホテルの積極的な取得と観光需要の高まりが上手く噛み合って大きな成長を遂げ、今やポートフォリオ総額の7割近くをホテルが占めるまでになっている(2013年12月期の資産規模約771億円、実績分配金237円 → 2016年12月期の資産規模約2,666億円、実績分配金1,477円)。
ケネディクス・レジデンシャル投資法人は、規約変更後も住居を主たる投資対象、ホテル等宿泊施設への投資は従とする意向だが、観光を中心としてホテル需要が依然として根強く、今後の物件取得動向が注目される。
3月1日、野村不動産ホールディングス株式会社(以下、野村不動産HD)が介護住宅事業への参入を発表した。
発表によると、野村不動産HDは、福岡市を拠点として有料老人ホームや海保サービスを展開している株式会社創生事業団(以下、創生事業団)と業務提携契約、さらに創生事業団の100%子会社である株式会社JAPANライフデザイン(以下、JAPANライフデザイン)と資本提携契約をそれぞれ締結して介護住宅事業へ参入するという(両契約ともに締結日は3月1日。また野村不動産HDは第三者割当増資でJAPANライフデザインの株式を議決権ベースで49%取得)。
野村不動産HDは既に高齢者住宅事業推進を目的として野村不動産ウェルネス株式会社を設立し、自立若しくは軽度の要介護状態の高齢者を対象としたサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の投入準備を進めてきた。そこに今回の創生事業団、JAPANライフデザインとの資本業務提携が上乗せされることで、自立から介護まで幅広い高齢者層のニーズに対応したサービス、住居の提供体制が構築されることとなった。
今後、野村不動産HDの介護住宅事業の展開そのものは勿論、同グループがスポンサーを務める野村不動産マスターファンド投資法人のパイプラインへの影響も気になるところである。
2月27日週の物件動向だが、主なものとして以下の2件の発表があった。いずれも東京都23区内でのホテル開発である。
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
---|---|---|
2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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