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2017年06月12日

JLL、物流不動産専門の部署・検索サイトを新設

6月5日週のニュース概観

(写真/PIXTA)

概況

6月8日、世界規模総合不動産サービスを展開するJones Lang LaSalle Incoporatedの日本法人ジョーンズ ラング ラサール株式会社(以下、JLL)が、物流不動産を専門的に扱う部署と検索サイトを新設したことを発表した。
e-コマースの発展や3PL事業の成長によって先進的大型物流施設の需要が高まり、それに応じる形で活発な供給が続いている日本の物流不動産市場だが、一方では市場の過熱感を指摘する声も出始めている。
そのような状況下、JLLは日本物流不動産市場の成長余地は依然大きいと判断し、高利回りを求めて非伝統的な資産への投資に関心を強めている投資家のニーズを掴むため、新部署・サイトの設立に踏み切った。
新設部署は「インダストリアル&ロジスティクス」という名称で、物流不動産の開発から管理・運営、売却に係る諸サービスをワンストップで提供できる点が特色だという。
また新設の検索サイト「Logi Finder」では、地域や面積、クレーンの有無や冷蔵冷凍対応の可否といった特色で物流施設を検索できる他、市場の現状や将来見通しの概況、JLLが手掛けた物流施設開発についての紹介動画等も閲覧することが可能。
不動産の中でも先行きに慎重な見通しを示すプレーヤーが目立ち始めてきたオフィスや商業施設に比べ、物流施設は関連サービスも含めてプレーヤーの動きが依然活発のようである。

物件動向

6月5日週の物件動向だが、主だったものとして以下の2件があった。用途別ではホテル・宿泊施設、物流施設が1件ずつだが、地域別ではいずれも関東地方の案件である。

a.栃木県日光市:「日光ふふ」計画
6月5日、ヒューリック株式会社と東武鉄道株式会社(以下、それぞれヒューリック、東武鉄道)が、東照宮等で有名な栃木県日光市で2019年秋開業を目途とする温泉旅館開発を行うと発表した。
発表によると、開発地は東武鉄道が日光市に所有する敷地約14,000㎡で、そこにヒューリックが延床面積約3,000㎡、客室数22室の温泉旅館「日光ふふ」を開発・運営する。開発地は皇室とも縁のある旧田母沢御用邸付属邸跡地ということもあり、ヒューリックは全室露天風呂完備のスイートルーム仕様という高級旅館として開発を進めていく。
従来より東武鉄道は日光を観光拠点として強化していく考えを持っており、昨年には金谷ホテルの株式取得によるグループ化、マリオット・インターナショナルと提携した日光市中宮祠でのホテル開発計画(2020年開業予定)を実行に移している。今回の温泉旅館開発計画は、そんな東武鉄道と観光事業の強化を目指すヒューリックの狙いが上手く一致した案件と言えよう。
b.茨城県猿島郡:「GLP五霞」計画
6月7日、GLP投資法人のスポンサーであるグローバル・ロジスティック・プロパティーズ株式会社(以下、GLP)が、茨城県猿島郡五霞町での物流施設開発着工を発表した。
発表によると、開発地約8.5万㎡は圏央道「五霞IC」や新4号国道に隣接した立地で、そこに地上3階建て、延床面積約14万㎡の大型マルチテナント型物流施設を開発するという(竣工2018年10月予定)。
GLPとしては初の茨城県案件となる今回の開発だが、カナダの公的年金運用機関CPPIBとの合弁事業として進められるという。
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