8月7日週のニュース概観
(写真/PIXTA)
8月7日週は、東南アジアを中心に日本企業の海外不動産開発発表が相次いだ。この背景には、日本自体の人口減少、収益源やリスクの分散、各国でクロスボーダー投資の環境整備が進んでいること等があり、日本企業の海外不動産投資は今後も拡大していくとみられる。
また、こうした企業側の動きに加え、一般社団法人不動産証券化協会が「制度改善要望」「税制改正要望」で求めているJ-REITが海外不動産を取得する場合の税負担軽減措置が実現すれば、J-REITによる海外不動産取得も着実に増加していこう。
8月8日、東京急行電鉄株式会社(以下、東急電鉄)がタイ・バンコクで分譲マンション事業に参画すると発表した。
発表によると、東急電鉄は現地大手デベロッパーのSansiri Public Company Limitedと8月7日に設立した合弁企業Siri TK One Company Limitedを通じてバンコク・スクムビット地区での分譲マンション開発・販売を行うという。
今回の案件で開発されるマンションは、地上8階建てと地上7階建ての2棟からなり、両棟を合わせた戸数は269戸。竣工は2019年内を予定。販売ターゲットとしては賃貸物件としての利用を考えているタイ内外の投資家を想定している(日本での販売については東急電鉄が取次)。
8月9日、大和ハウス工業株式会社(以下、大和ハウス工業)がインドネシア首都ジャカルタの南東部郊外で進めている開発計画「サウスイーストキャピタルプロジェクト(仮称)」の概要決定を発表した。
当該計画はジャカルタ中心部から南東12kmの地点に位置する約12万㎡の敷地に、高層マンション12棟(総戸数約5,000戸)、ホテル、ショッピングモールを開発する大規模開発。日本からは大和ハウス工業以外に株式会社海外交通・都市開発事業支援機構(日本からのインフラ輸出を振興するため、2014年に政府や民間が出資して設立)、そして現地企業TRIVO Groupがそれぞれ参画している。
今回発表された概要によると、まず開発第一フェーズとして24階建て分譲マンション4棟を今年秋に着工し、最後の第四フェーズを2024年6月に完了させる予定だという。
大和ハウス工業は今回の案件をテコに、2.5億人超という東南アジア最大の人口を誇るインドネシア(世界ランクでは中国やインド、米国に続く4位)市場でのプレゼンス拡大を加速させたい考え。
8月9日、三菱地所株式会社が、米国子会社による物流施設開発計画の始動を発表した。
発表によると、ニューヨーク市にも近いニュージャージー州で1件、西海岸のカリフォルニア州で2件、計3件の物流開発(開発費総額約420億円)を進めるという。
ニュージャージー州での開発計画は、93haの敷地に計6棟、総延床面積約20万㎡の物流施設を建設するというもので、2017年8月に着工し、翌年から2020年にかけて順次竣工していく予定。
カリフォルニア州での開発計画は、ぺリス市にある敷地28haに計2棟、総延床面積約13万㎡の物流施設を建設する案件とサンバーナーディーノ市にある敷地約8haに計2棟、総延床面積約4万㎡の物流施設を建設する2案件から成り、いずれもロサンゼルス港やロングビーチ港という大型港湾に近い点が利点となっている。竣工時期はぺリス市案件が2018年8月、サンバーナーディーノ市案件が同年6月をそれぞれ予定。
8月10日、森ビル株式会社がインドネシア首都ジャカルタで大型オフィス開発を進めていると発表した。
発表によると、森ビルはシンガポールに設立していた子会社を通じ、ジャカルタ市中心部のビジネス街で地下4階地上59階建て、延床面積約190万㎡という大規模オフィスビルの開発を行うという。建設工事は既に着工しており、2021年内には竣工を迎える予定。
人口の多さで知られるインドネシアだが、その内実を見ても若年層が多く(世界銀行によると2016年時点の高齢化率は5.28%。同期の日本は26.86%にのぼる)、堅調な成長が期待できる同国への投資は今後も続きそうである。
8月7日週の物件動向だが、特に目立つものはなかった。
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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