9月25日週のニュース概観
(写真/PIXTA)
9月26日、グループで不動産ファンド事業や融資型クラウドファンディングを展開している株式会社LCパートナーズが9月15日付で「ポーリー・プラス投資法人」を設立したと発表した。
去る8月21日にグループ持株会社であるLCホールディングス株式会社が投資法人の設立とREIT市場への上場に向けた準備を進めていると公表していたが、今回、その動きの一部が実現した。続く上場手続きが順調に進んでいけばREIT市場60銘柄目となる見通しで、REIT市場自体は勿論、スポンサー企業についても裾野が拡大していることを示すニュースといえる。
また、「ポーリー・プラス投資法人」そのものに視線を移すと、投資対象として商業施設や物流施設に加え、病院不動産も対象としている点が目を引く。病院不動産については耐震立替や経営資源の効率的利用を目的として2015年6月に国土交通省と厚生労働省が「病院不動産を対象とするリートに係るガイドライン」を発表し、ヘルスケア施設を投資対象とするREITが将来的な取得の可能性に言及しているものの、実際に取得したREITは現時点で存在していない。それだけに、今後ポーリー・プラス投資法人がREITとして病院不動産取得第1号になるか注目したい。
同じ9月26日、ヒューリック株式会社が私募REIT「ヒューリックプライベートリート投資法人」への物件売却を発表した。
ヒューリックプライベート投資法人は、9月にヒューリック・グループが設立した私募REITで、今後、運用開始手続きが順調に進むことを前提に10月27日に正式な売買契約締結、11月1日に物件引渡と売買代金決済が行われる予定。
譲渡される物件はオフィスが3件、商業施設が1件、オフィス・商業施設兼営が1件、そして商業施設の底地12件。物件数では底地がポートフォリオの大半を占めることになるのがヒューリックプライベートリート投資法人の特徴である(なお私募REITでは日本商業開発株式会社をスポンサーとする「地主プライベートリート投資法人」が底地特化型として既に運用を行っている)。
今回の物件譲渡に伴う売却価格は総額222億円前後であり、ヒューリックプライベート投資法人の初期資産規模もそれに近似した数字となろう。
9月28日、九州旅客鉄道株式会社(以下、JR九州)が不動産開発事業を展開するためタイ現地法人を設立すると発表した。
現地法人の資本金は約1.3億タイバーツ(4億円相当)で、JR九州の出資比率は単独では最大となる49%(残り51%は日系タイ現地法人3社が出資)。JR九州は今年5月にタイ・バンコク事務所を開設して現地での不動産事業に係る情報収集を開始していたが、そこからさらに一歩アクセルを踏み込む形となる。
東京新橋でのホテル開発への参画と並び、JR九州の不動産部門の地域に縛られない積極さを改めて印象付けるニュースである。
9月25日週の物件動向だが、主なものとして以下の1件の発表があった。
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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