10月16日週のニュース概観
(写真/PIXTA)
10月16日、商業施設特化型REITである日本リテールファンド投資法人が自己投資口の取得を行うと発表した。
発表によると、取得期間は10月17日から来年1月31日にかけて。取得投資口数の上限は、発行済投資口総数の2.25%に当たる6万口。取得価額上限は100億円で、期間内に取得口数か取得価額のどちらの上限に達した場合、その時点で取得は完了となる。取得された自己投資口は2018年2月期中に消却される予定。
これまで自己投資口の取得を行った銘柄としてはインベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人、いちごホテルリート投資法人があるが、いずれも2014年以降に上場した比較的若く、資産規模(取得価格ベース)では中小型に属する銘柄であった。それだけに2002年上場という古参銘柄の一角であり、商業施設特化型REITとしては最大の資産規模(J-REIT全体で見ても第4位)という日本リテールファンド投資法人の自己投資口取得は異例といえる。
今回の自己投資口取得について、日本リテールファンド投資法人はフリーキャッシュが積みあがる一方、物件取得機会が減少する中で投資主還元を重視して決定したと説明している。当該発表は引け後の15:30になされ、17日の投資口価格動向に注目が集まったが、最終的に前日比3%超の上昇となる20.73万円で取引を終えた。ひとまず市場から好意的に受け止められた形だが、古参大手の一角が外部成長より投資主還元を重視する姿勢を示したことで、今後、J-REIT全体としての外部成長ストーリーに投資家の疑念が強まる可能性もある。
10月19日、森トラスト株式会社(以下、森トラスト)がスタートアップ企業への出資やM&Aに対応するため、200億円の投資枠を設定すると発表した。
今後、不動産Techや観光・ホテルの業務効率化・付加価値増大を狙う「Hospi-Tech」への投資を重点的に行っていくという。
最近、大手不動産各社はオフィス需要の新たな牽引役としてスタートアップ企業に注目し、その成長と裾野の拡大を支援すべく業務スペースや他企業との協業を容易にするコミュニティスペースの提供、ベンチャー・キャピタルと組んでの出資を活発化させつつある。
現在のオフィス需要の好調さに安座せず、次の需要を掘り起こし拡大しようという不動産各社の動きが実を結び、さらには日本経済の新陳代謝活発化に繋がっていくことを期待したい。
10月20日、ジャパンリアルエステート投資法人が米ドル建て投資法人債を発行すると発表した。
調達される金額は30億円相当、償還期間は10年。発行と同時に通貨スワップ契約を締結することで為替リスクを回避する。
J-REITとしては初の外貨建て投資法人債の発行だが、ジャパンリアルエステート投資法人は2014年にもJ-REITとして初の外貨建て借入(通貨は米ドル)を行っている。日銀の大規模金融緩和を背景に良好な資金調達環境が続いている中で敢えて変則的なデットファイナンスを行うのは、資金調達環境に変化が生じた際の対応力向上を狙った一種の訓練だと推測される。
10月16日週の物件動向だが、主なものとして以下の1件の発表があった。
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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