2017年6月21日 国土交通省開催
(写真/PIXTA)
不動産投資市場の活性化を通じた国民経済の発展に資することを目的とし、必要な施策や取り組むべき課題について検討してきた国土交通省の「不動産投資市場政策懇談会」。
2017年6月21日に開催された9回目に参加しましたのでご報告いたします。
「2020年頃までにリート等の資産規模を約30兆円に倍増させる」という政府目標の策定や人口減少社会における不動産活用の在り方、投資家層の裾野拡大といった様々な課題への切り込みを行ってきた不動産投資市場政策懇談会ですが、9回目となる今回は、これまでの議論を踏まえたアクションプランの策定と発表がなされました。
そのアクションプランを構成するのが以下の4本柱です。それぞれ、今後のJ-REIT市場にどのような影響が考えられるのかという点から見ていきたいと思います。
1.CRE等の改革
2.リート市場等の改革
3.不動産投資家の投資環境の改革
4.人材育成の改革
1.CRE等の改革
最初に取り上げられたのがCRE(企業不動産)とPRE(公的不動産)の活用推進とそれに必要な改革です。
2015年度時点のデータによれば、企業が多くを占める「法人所有不動産」の額は約430兆円、そして国や地方公共団体等が所有する「公的不動産」の額は590兆円、両社合わせると1,000兆円を超えるという莫大なものです。2016年末時点のJ-REITの保有不動産額(取得価格ベース)が過去最高とはいえ16兆円を少し超える程度ですから、その大きさが改めて分かります。
しかし残念なことに、企業や公的機関が保有している不動産には活用されることなく遊休資産化しているものが多いと言われています。そこで今回発表されたアクションプランでは、CRE活用に向けてガイドラインや実施手順を整備し、成功事例の共有化を目的として業界団体、不動産企業、金融機関、機関投資家や有識者からなるフォーラムを設置・運営することが掲げられ、PREについても同様の取り組みを進めていくこととされました。
もし企業や公的機関が保有不動産の活用に今以上に力を入れることになれば、再開発の進展やコンセッションの活発化を通じてJ-REITにとっても新たな物件取得の機会、資産内容の多様化という点で追い風になるものとみられます。それだけに、企業や公的機関の保有不動産の活用・再編を促すような税制等の支援実現が待たれるところです。
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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