キャップレートをはじめとする不動産市場の指標を、J-REITのデータからの定量的分析によりご報告します。
(写真/PIXTA)
ここ最近の不動産投資市場は、奇妙な膠着状態にあります。
市場関係者や投資家への各種アンケート等からはピークアウト感が漂い始めているものの、実際の取引価格水準は緩やかとはいえ上昇傾向を崩していません。
また、不動産投資市場を取り巻く環境も、日銀の金融緩和を背景に金融機関の対不動産業貸出が活発な一方、経済の体温とも言える物価は日銀が目標としている上昇率2%に及ばない状態です。
日本経済、ひいては不動産投資市場が今後更に熱を帯びてくるのか調整局面に入ってしまうのか、方向性が非常に見えにくい状況といえます。まさしく五里霧中な不動産投資市場の先行きですが、そうした不透明性に如何に相対していけばいいのでしょうか。誰もが気になる点について、9月15日、株式会社クレジット・プライシング・コーポレーションで不動産の評価・リスク管理を手掛ける神崎清志氏を講師にお迎えし、キャップレートという切り口からお話を頂きました。
そもそもキャップレートとはどのような指標なのでしょうか。
これは不動産の利回りを示す指標で、以下の数式で求められます。
キャップレート = 不動産の年間純収益 ÷ 不動産の取引価格
例えばある不動産の純収益が年間1億円、その不動産の取引価格が50億円だった場合、キャップレートは2%となります。さらに純収益が変化しない状態で取引価格が100億円になればキャップレートは1%、1,000億円になればキャップレートは0.1%となり、キャップレートの動きと不動産取引価格の動きはちょうど逆になることが分かります。基本的に不動産が生む純収益は大きく変動することは少ないため、不動産市況について「キャップレートが低下傾向」ということは「不動産の取引価格が上昇傾向」、逆に「キャップレートが上昇傾向」といえば「不動産の取引価格が低下傾向」であることを指します。
また、数式からキャップレートと不動産の年間純収益さえ分かれば利回りに見合った不動産の取引価格を算出できるため、ある不動産を購入する場合、当該不動産の年間純収益と周辺或いは類似の不動産のキャップレートを利用して適切な購入金額の目星をつけることもできます。
PR
PR
1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
---|---|---|
2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
* 当サイトはJ-REIT(不動産投資信託)の情報提供を目的としており、投資勧誘を目的としておりません。 * 当サイトの情報には万全を期しておりますがその内容を保証するものではなくまた予告なしに内容が変わる(変更・削除)することがあります。 * 当サイトの情報については、利用者の責任の下に行うこととし、当社はこれに係わる一切の責任を負うものではありません。 * 当サイトに記載されている情報の著作権は当社に帰属します。当該情報の無断での使用(転用・複製等)を禁じます。