若松 加寿江 (著)
「そこで液状化が起きる理由」、なんともドキリとする表題の本を今回は取り上げます。
地震というと揺れや火事、津波による破壊の怖さが取り上げられがちですが、それらに負けず劣らずの被害を各種建物や道路、ガス管、上下水道に与えるのが液状化という現象です。
2011年の東日本大震災の際に新浦安等の一帯がこの液状化に見舞われたことは、波がうねるかのような形に破壊された道路、浮き上がって地表に姿を現したマンホールといった印象的な映像とともに覚えている方も多いことでしょう。
地盤工学・都市防災工学の専門家を著者とする本書は、その液状化現象に焦点を当て、数々の貴重な知見を提供してくれる内容となっています。
本書の構成は全8章からなっていますが、より大まかに分けると、液状化現象についての説明、液状化の発生しやすい土地を見分けるためのチェックの仕方、液状化に備えるための各種工事について、という3段構えの構成です。
個人的には、第3章から第5章にかけての液状化の発生しやすい土地を見分けるためのチェックの仕方が書かれた箇所に面白さを感じました。そこでは液状化で被害を受けやすい土地にはどのような特徴があるのかが具体的な事例に基づいて説明されています。知らなければ気にも留めないような風景や地名に、実は人の生死を左右しかねない重要な情報が潜んでいるのです。
また、水害に遭いやすい土地は同時に液状化被害にも遭いやすい土地である旨の指摘も印象に残りました。
2011年の東日本大震災をはじめとした過去の大地震は、多くの人々にとって予想外の出来事でした。そして残念なことに、将来の地震とそれによる液状化もまた人々の不意を打つ形で牙をむいてくることでしょう。
しかし、液状化については社会の防災意識の高まり、情報技術の発展等により、過去の発生事例やデータが収集・整理され、グラフィカルな形で手軽に危険性をチェックできるようになってきています。そうしたデータの利用の仕方、読取り方も取り上げているのが本書の嬉しい所。
虎の子の財産、かけがえのない自身や家族の命をいつ何時襲い掛かってくるかわからない液状化から守るため、用心棒として本書を手に取ってみるのは如何でしょうか。
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