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2018年12月04日

10月鉱工業生産指数(速報値)は市場予想を上回る伸び

11月26日週のマーケット概観

(写真/iStock)

マーケット全般

26日週は30日に10月鉱工業生産指数(速報値)と10月住宅着工統計の発表があった。
それぞれの結果を見ていくと、まず10月鉱工業生産指数(速報値)は、前月比+2.9%となった。
前月に猛威を振るった自然災害の影響の剥落等を考慮して10月は前月比+1.2%を想定する声が多かったが、実際はそれを2倍以上上回る結果となった。
11月、12月の予測値もそれぞれプラス圏となっており、2018年第4四半期は増産傾向を維持すると見られる。
今後は9月の自然災害の影響で積み上がった在庫が順調に捌けていくかが焦点となろう。
続いて10月住宅着工戸数だが、こちらは95万戸で前月比+0.3%と事前予測通りの結果となった。
形勢としては、2019年10月予定の消費税増税を睨んだ駆込み需要の強さが、金融庁によるアパート・ローンへの締付け強化による逆風を上回っている状態である。
政府は消費税増税後に訪れるであろう駆込み需要の反動を抑えるべく、住宅ローン減税の3年延長を実施すべく最終調整に入ったとも報じられている。
こうした政策の効果と堅調な雇用・所得環境に支えられて、住宅着工数も当面増加基調を維持しそうである。
来週12月3日週については、国内では7日の10月家計調査と10月景気動向指数(速報)で景気の状況を確認する他、5日の米議会における証言でパウエルFRB議長がタカ派とハト派のどちらのスタンスを示すか、そして6日のOPEC総会が一時の下落から反発を見せている原油価格をサポートする結果になるか注目される。

26日週は、株式市場、J-REIT市場ともに目立ったネガティブ材料も浮上せず、上昇基調となった。
11月30日の取引を終えた時点で、11月の月間ヒストリカル・ボラティリティはTOPIXで約14%、東証J-REIT指数で約8%となり、「株式>J-REIT」という構図を維持したが、11月26日週に限ってみると、TOPIXが約3%、東証J-REIT指数が約9%でJ-REITが株式を上回る珍しい結果となった。
これが一時的な現象かトレンドとして定着していくのか、今後に注目したい。
コモディティ市場では原油価格(WTI)の反発とLME銅3カ月先物の上昇基調が見られた1週間であった。特に銅価格については世界景気を先取りして動く傾向があると言われているだけに、今後も強い動きを続けていけば、それに応じて証券市場でも先行き楽観論が広まってこよう。

J-REIT市場

11月26日週のJ-REIT市場で活発に取引されたのは以下の銘柄であった(出来高の多い順に上位10銘柄を提示)。上位10銘柄の出来高合計は810,620口で先週の498,476口より62%超の増加となった。

コード 名称 出来高(口) 分配金利回り(11月30日時点) 投資対象
3298 インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人 153,069 5.19% オフィス
8963 インヴィンシブル投資法人 113,854 7.14% 総合
8985 ジャパン・ホテル・リート投資法人 82,152 4.90% ホテル
8953 日本リテールファンド投資法人 80,006 4.05% 商業
8960 ユナイテッド・アーバン投資法人 79,629 3.93% 総合
3462 野村不動産マスターファンド投資法人 64,429 4.11% 総合
8954 オリックス不動産投資法人 59,447 3.65% 総合
8984 大和ハウスリート投資法人 55,167 4.06% 総合
3281 GLP投資法人 43,022 4.57% 物流
8951 日本ビルファンド投資法人 41,498 2.85% オフィス

出来高全体が先週比で大きく伸びたのは前述の通りだが、各銘柄を見ていくと、ジャパン・ホテル・リート投資法人をはじめ、3位以下の銘柄に先週比で出来高が2倍程度増大しているものが目立つ。
この傾向は11位以下の銘柄でも同様で、総じて証券コード8000番台の古参銘柄で大きく出来高が伸びていることから、機関投資家からまとまった買いが入ったことが推測される(ただし、日銀は11月では16日にしかJ-REIT買入を実施していない)。

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