3月26日週のニュース概観
(写真/iStock)
3月27日、東急リアル・エステート投資法人のスポンサーである東京急行電鉄株式会社(以下、東急電鉄)が「中期3か年経営計画」を発表した。
その中で、同社は2018年度から2020年度にかけて不動産事業を中心とする成長投資に2,600億円を振り向けることを明らかにした。その内訳は以下の通りだが、同期間の既存事業投資額が2,600億円でその中の1,600億円が鉄道事業投資であることを考えると、不動産事業にかける東急電鉄の強い意気込みが感じられよう。
<成長投資内訳>
・渋谷再開発:1,200億円
・沿線開発 :800億円
・戦略案件(不動産賃貸事業の拡充、海外展開等):600億円
前述のように、東急電鉄は東急リアル・エステート投資法人のスポンサーでもある。その東急電鉄の不動産事業重視の姿勢は、東急リアル・エステート投資法人に対してパイプラインの拡充をはじめとしたプラスの波及効果を生むものと考えられる。
3月28日、日本郵政グループの中核である日本郵政株式会社(以下、日本郵政)が不動産子会社を設立すると発表した。
4月2日付で設立される不動産子会社の名称は「日本郵政不動産株式会社」で資本金は15億円、株主構成は日本郵政のみで100%を占める。
日本郵政グループは簿価ベースで約2.8兆円相当の不動産(土地+建物+建設仮勘定)を有しており、これらの利活用がグループの収益性向上に必須とみられていた。そのため、昨年には不動産大手の野村不動産買収に動いたが、これはあえなく破談。最終的に日本郵政傘下にグループの不動産事業を統括する子会社を設立するところに落ち着いた。
今回設立が発表された日本郵政不動産株式会社は将来的に他社との共同開発、新規事業領域への進出も睨んでいるとのことで、日本郵政グループの巨額の不動産の利活用のみならず、同社が不動産業界再編の台風の目となる可能性にも関心が集まろう。
3月29日、インヴィンシブル投資法人がスポンサーの異動を発表した。
発表によると、同日付でインヴィンシブル投資法人のスポンサー体制は以下のように切り替わる(カッコ内はインヴィンシブル投資法人の資産運用会社であるコンソナント・インベストメント・マネジメント株式会社への出資比率)。
<従来>
・Calliope合同会社(100%)
<新体制>
・Fortress CIM Holdings L.P(80%)
・ソフトバンクグループ株式会社(20%)
Calliope合同会社及びFortress CIM Holdings L.Pともにはソフトバンクの傘下企業であるため、インヴィンシブル投資法人がソフトバンクの影響下にあるという点では変化がないものの、これまで傘下企業を通じた間接的な関与にとどまってきたソフトバンクがサブ・スポンサーとはいえ直接的な関与に踏み出した点は注目されよう。
インヴィンシブル投資法人はソフトバンクの情報技術を活用した運用コスト削減に期待を示しているが、M&Aや事業領域の拡大にも積極的なソフトバンクからどのような追い風が吹いてくるか、今後が興味深い。
3月26日週の物件動向だが、以下の2案件が発表された。いずれも埼玉県南部での物流施設開発である。
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
---|---|---|
2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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