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2019年01月21日

原油安が下押し圧力となる消費者物価指数

1月15日週のマーケット概観

(写真/iStock)

マーケット全般

1月15日週は、16日に2018年11月機械受注統計、18日に2018年12月消費者物価指数(全国)の発表がそれぞれあった。

まず2018年11月機械受注統計だが、船舶・電力除く民需は事前の市場予測では前月比+3.0%が見込まれていたものの、蓋を開けてみると前月比-0.02%と事前予想より下振れる結果となった。
内訳を見ると、非製造業が前月比+2.5%と2カ月連続の増加を見せた一方で、製造業が前月比-6.4%と落ち込んで指標の足を引っ張る形となった。
11月の数字が冴えない結果に終わったことにより、2018年10-12月期の機械受注(船舶・電力除く)は2017年4-6月期以来、6四半期ぶりの前期比マイナスになる公算が高まった。
また、機械受注統計の動きは製造業の設備投資に半年ほど先行する性質があることから、2019年上半期は設備投資の伸びに逆風が吹くことも想定される。

続いて2018年12月消費者物価指数は、生鮮除く総合が前年同月比+0.7%となった。
連続上昇記録を24カ月に延ばしたものの、前月より伸び率は鈍化し、市場予測の前年同月比+0.8%には届かなかった。
この数字の伸び悩みをもたらしたのは、原油価格の下落である。
その原油価格(WTI)は昨年12月下旬に一時45ドルを割り込んだ後で持ち直し、現在は52~53ドルの水準まで回復してきている。
とはいえ、昨年10月の高値圏75ドル台からはまだ3割程度安い数字であり、物価にとっては当面下押し圧力として機能していこう。

両指数を並べてみると、日本経済は日銀や政府にとって現今の低金利環境の終了を意識させる状態とは言い難く(今年10月に消費税増税が控えているだけになおさら)、J-REIT等資金を必要とする側にとってはまだ当面良好な借入環境が続きそうである。

J-REIT市場

1月15日週のJ-REIT市場で活発に取引されたのは以下の銘柄であった(出来高の多い順に上位10銘柄を提示)。上位10銘柄の出来高合計は627,700口、1日当たりの平均では約156,925口となった。

コード 名称 出来高(口) 分配金利回り(1月18日時点) 投資対象
8985 ジャパン・ホテル・リート投資法人 159,856 4.76% ホテル
3298 インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人 112,677 4.83% オフィス
8963 インヴィンシブル投資法人 103,161 6.95% 総合
3309 積水ハウス・リート投資法人 43,973 4.17% 総合
3462 野村不動産マスターファンド投資法人 41,228 4.13% 総合
8954 オリックス不動産投資法人 35,400 4.11% 総合
8960 ユナイテッド・アーバン投資法人 35,314 4.20% 総合
8953 日本リテールファンド投資法人 32,318 4.06% 商業
3281 GLP投資法人 31,998 4.66% 物流
3283 日本プロロジスリート投資法人 31,775 3.86% 物流

月曜日が成人の日で休日となったことで営業日が1日少ない1月15日週だが、ジャパン・ホテル・リート投資法人が1月16日の公募増資価格確定を引き金とした取引の活発化により、出来高で初の1位を獲得した。
他銘柄については上位10位の常連といっても良い銘柄が引き続きエントリーしている。
2019年も出来高という面では総合型J-REITが市場の牽引役となりそうである。

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