1月28日週のマーケット概観
(写真/iStock)
1月28日週は29日から30日にかけて米国でFOMCが開かれ、31日には12月鉱工業生産指数(速報)の発表があった。
まず米国FOMCだが、30日に発表された声明文の内容は、米国景気の拡大ペースを「力強い速度」から「堅調な速度」にややトーンダウンさせ、利上げに慎重な姿勢を示すハト派色の強い内容となった。
これにより、緩和的な金融環境下で様々な資産や新興国に流れ込んでいる資金がFRBの金融引締めによって逆流に転じる事態はまた遠のいたことになる。
そして31日の12月鉱工業生産指数(速報)は、前月比-0.1%となった。前月比マイナスとなるのは先月に続いて2カ月連続だが、同時に速報ベースで市場予想を上回る結果になるのも2カ月連続であり、勢いに欠けるが底堅い日本経済の姿をよく伝える内容となっている。
FOMCで世界的な金融緩和環境がまだ続くことが確認され、日本では鉱工業生産指数(速報)が想定よりは悪くない数字になったおかげか、1月28日週の株式市場とJ-REIT市場は上昇基調の動きとなった。
特に低金利によるコスト削減を享受でき、海外・為替市場からの影響は限定的なJ-REIT市場は内外投資家から一層の注目を浴びているようで、東証J-REIT指数の2月1日終値は1853.23ポイントと2017年1月以来の高値水準に達した。
2月8日には時価総額の大きなJ-REIT銘柄で構成される東証REIT core指数に連動するETF「ダイワ上場投信-東証REIT Core指数」が新たに上場する。
従来よりREIT指数に連動するETFの取引では、都銀・地銀やその他の金融機関(信金や信組、労働金庫、農林系金融機関、政府系金融機関、証券金融会社等)が大きなプレゼンスを占めてきたが、低金利環境で貸出では稼げなくなっている各金融機関の資金の受け皿としてREIT指数連動型ETFがさらなる成長を実現できるか、今後に注目していきたい。
1月28日週のJ-REIT市場で活発に取引されたのは以下の銘柄であった(出来高の多い順に上位10銘柄を提示)。上位10銘柄の出来高合計は827,082口となった。
コード | 名称 | 出来高(口) | 分配金利回り(2月1日時点) | 投資対象 |
3298 | インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人 | 173,931 | 4.61% | オフィス |
8985 | ジャパン・ホテル・リート投資法人 | 149,964 | 4.40% | ホテル |
8963 | インヴィンシブル投資法人 | 136,260 | 6.95% | 総合 |
3281 | GLP投資法人 | 65,453 | 4.41% | 物流 |
3462 | 野村不動産マスターファンド投資法人 | 64,344 | 3.98% | 総合 |
3309 | 積水ハウス・リート投資法人 | 55,739 | 4.05% | 総合 |
8953 | 日本リテールファンド投資法人 | 48,742 | 3.95% | 商業 |
8954 | オリックス不動産投資法人 | 48,415 | 3.58% | 総合 |
8960 | ユナイテッド・アーバン投資法人 | 45,353 | 3.99% | 総合 |
8986 | 日本賃貸住宅投資法人 | 38,881 | 4.60% | 住居 |
1月28日週の出来高で目立つのは、ジャパン・ホテル・リート投資法人の躍進である。
出来高は15万口弱で従来からの出来高2強であったインベスコ・オフィス・リート投資法人とインヴィンシブル投資法人の間に割り込む形となっている。
ジャパン・ホテル・リート投資法人の取引上を見ると、1月24日から出来高を伴って投資口価格が急伸した後、投資口価格8.3万円~8.4万円のレンジで活発な取引が行われている。
観光庁が1月31日に発表した12月延べ宿泊者数(速報)は全体で前年同月比+5.6%、外国人に限ると前年同月比+14.6%と足許のホテル需要の強さを改めて確認する内容となったが、こうした数字を背景に次週もジャパン・ホテル・リート投資法人が活発に取引されるか興味深い
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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