1月22日~31日のニュース概観
(写真/iStock)
1月30日、MCUBS MidCity投資法人が単独スポンサー体制になることが明らかになった。
当該投資法人は、当初、MIDリート投資法人として松下興産の不動産部門を前身とするMID都市開発株式会社(以下、MID都市開発)をスポンサーとする体制で2006年8月に上場した。
やがてMID都市開発は2009年に関西電力グループ入りし、2016年4月には関電不動産株式会社(現在の関電不動産開発。以下、関電不動産開発)に吸収合併された。
これに伴ってMIDリート投資法人のスポンサーも関西電力グループへと変わったのだが、さらに2015年4月、当該投資法人の資産運用会社であったMIDリートマネジメント株式会社の株式65%を三菱・ユービエス・リアルティ株式会社(以下、三菱UBS)が取得して同社がメインスポンサー、関電不動産開発とそのバックに控える関電グループがサブスポンサーという体制が確立され、5月にはMIDリートマネジメント株式会社が「MCUBS MidCity株式会社」、6月にはMIDリート投資法人が「MCUBS MidCity投資法人」とそれぞれ名称を現在のものに改めるに至った。
その後、三菱UBSはMCUBS MidCity株式会社の株式を85%まで押さえてMCUBS MidCity投資法人への関与を深めていったが、今回、遂に関電不動産開発が保有するMCUBS MidCity株式会社の株式15%を取得して同社を完全子会社とする決断を下した。
これにより、MCUBS MidCity投資法人における東京圏オフィス重視の姿勢はより強まると見られる。
具体的な保有物件の動きとして、当該投資法人のポートフォリオにおける平均NOI利回り4.3%(2018年6月末時点)を下回りかつ含み損を抱えるものの多い大阪圏物件の売却・入替が加速することが予想される。
この動き自体はポートフォリオの質を向上させる好ましいものだが、一方でポートフォリオにおける大阪圏物件の存在感が薄まっていくことで、MCUBS MidCity投資法人が東京圏オフィスを主要投資対象とする他のJ-REIT銘柄との差別化を今後どう実現していくかという課題もより重要性を増してくることになるだろう。
1月31日、GLP投資法人はスポンサー企業が開発した5物件についてブリッジファンドを通じて優先交渉権を取得した。
今回のスキームは、当該投資法人のスポンサーであるGLPの傘下ファンド「ジャパン・デベロップメント・ベンチャーI」が開発した物流施設5件をブリッジファンドが898億円で取得し、GLP投資法人はその5件の物流施設を対象とする優先交渉権契約を当該ブリッジファンドと締結するというもの。
ブリッジファンドを利用した物件取引は、スポンサー企業にとってブリッジファンドへの売却で速やかに物件を現金に換えられる一方、ブリッジファンドがスポンサー企業の放出した物件を押さえることで、投資法人は競合に物件を先に買われてしまう危険性に脅えることなく適切なタイミングで資金調達をして物件を取得できるという利点がある。
売買市場に出回る物件が全体として少なくなっている現状、ブリッジファンドの活用がJ-REITの成長戦略において一層重要性を増していきそうだ。
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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