2月1日~5日のニュース概観
(写真/iStock)
2月1日から5日にかけて、不動産専業もしくはグループ内に有力不動産企業を有している企業とベンチャー企業との繋がりに関するニュースが続いた。
まず2月1日には、三菱地所株式会社(以下、三菱地所)は、ベンチャー企業向け出資額が100億円に到達したことを発表した。
三菱地所は、中期経営計画において2020年代の新たな成長領域としてベンチャー企業への出資や協業を重視しており、一部の自社物件をベンチャー企業向け事業開発拠点や支援施設として提供している他、不動産techや再生可能エネルギー、インバウンドやバイオといった多彩な業種のベンチャー企業15社への直接投資、または、ベンチャーキャピタル5社を通じた間接投資を行っている。
続いて4日には、阪急阪神ホールディングスグループがベンチャー企業と業務提携して農業ビジネスに参入すると発表した。
それによると、当該グループで新規事業育成を担当している株式会社ライフデザイン阪急阪神が農業ベンチャー「株式会社オーガニックソイル」と連携して高糖度ミニトマトの通年生産を行うという。
具体的には、ライフデザイン阪急阪神が兵庫県姫路市余部区の敷地11,658㎡に栽培用の5連ハウス2棟を設置して今年夏からミニトマト生産を開始し、年間80トンの販売を目指す。
この5連ハウスは、太陽光を利用した気化熱冷却装置やヒートポンプで内部の環境を制御する造りになっているのが特徴だという。
こうした業務提携は2015年あたりから活発化してきており、昨年には、三井不動産株式会社が独立系ベンチャーキャピタルと組んで総額300億円の投資事業を開始し、平和不動産株式会社はFintech企業を対象として開設した事業・イベント拠点の増床を行っている。
またベンチャー企業の業務内容も不動産tech、物件の環境性能やセキュリティと強く関係してくるAI、IoTは勿論、健康やバイオといった不動産との繋がりはやや薄いものまで非常に多岐にわたっている。
こうした動きは現時点では個別のJ-REIT銘柄や市場全体に直接的に影響してくるものではないと思われるが、ある不動産企業が多くの伸び盛りのベンチャー企業と強固なリレーションを構築することは当該不動産企業をスポンサーとするJ-REITにとってもリーシングで有利な材料となり、ベンチャー企業と不動産企業との協業によって収益性や環境性能のより高い不動産が増えていけばJ-REIT業界の拡大・成長にもプラスに寄与すると言えよう。
不動産企業とベンチャー企業の関係深化、長期的な視点から注目したい事象である。
PR
PR
1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
---|---|---|
2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
* 当サイトはJ-REIT(不動産投資信託)の情報提供を目的としており、投資勧誘を目的としておりません。 * 当サイトの情報には万全を期しておりますがその内容を保証するものではなくまた予告なしに内容が変わる(変更・削除)することがあります。 * 当サイトの情報については、利用者の責任の下に行うこととし、当社はこれに係わる一切の責任を負うものではありません。 * 当サイトに記載されている情報の著作権は当社に帰属します。当該情報の無断での使用(転用・複製等)を禁じます。