今回は、東京インフラアセットマネジメント株式会社 代表取締役社長 杉本啓二氏にインフラファンド市場とファンドの特長に関してインタビュー形式でお話していただきました。
FIT終了については、我々も真剣に対策を考えております。
その一つとして、RE100プロジェクト参加企業への直接売電があります。RE100プロジェクトとは「Renewable Energy 100%」の頭文字をとったもので、事業運営に必要なエネルギーを全て再生可能エネルギーで賄うことを目標とする取組です。企業の社会的責任が重視されるようになってきたことから参加企業も増えており、そこに我々の発電所が生産した環境負荷の小さい電力を積極的に売込んでいく方針です。他に、電気自動車の普及や、蓄電設備の増大によって社会全体としての電力需要は増えていくでしょうから、こうした電力関連事業をFIT後の収益源として位置付けています。
出力制御への対策としては、売電不能期間における減収を補填する出力抑制保険に加入していますが、今後、蓄電設備の導入により、売電ができない場合、一定期間蓄電した後に売電をできる仕組みを検討してまいります。
現在、我々のLTVは57.7%となっています。
J-REITでは一般に45~50%、インフラファンドでは55%であることと比べると、やや高めの水準ですが、今後、ローンの繰上返済により55%前後まで下がる見込みで、その後は55%を軸に、多少増減する安定的な運営を行っていく方針です。
また、我々は、財務戦略において、LTV以外にDSCR(Debt Service Coverage Ratio)という指標も重視しています。これは手元の年間のキャッシュフローを年間の元利金返済額で割って求めるもので、数字が大きいほど財務的な安全性が高いことを示します。取引金融機関からは、1.2倍を最低ラインとして求められますが、我々はこの数字が1.5~1.8倍の数字、つまり借入の元利金返済額に対して1.5倍から1.8倍の現金が手元に入ってくるように財務運営を行っています。
現状のIRは、個人投資家に焦点を当てて行っています。
上場インフラファンドの高利回りを実感する一方、FIT調達価格の切下げ等で不安や疑問を訴える方々も多く、「既にFIT調達価格が確定して稼働した発電所は、その後のFIT切下げの影響を受けない」といったことを丁寧に説明するように心掛けています。
個人投資家の方々の不安や疑問は、再生可能エネルギー政策に対する政府の方針に起因していることもあり、政府には日本全体として再生可能エネルギーをどのように位置づけるのか、再エネの活用を促進していくためにどういった制度改正を行っていくのか、改めて戦略を強く打ち出していただきたいと思います。
機関投資家からは、やはり高い利回りから上場インフラファンドに関心を示していただけるのですが、実際の投資は、もう少し資産規模が大きくなってからという姿勢のところが多いと思います。逆に言うと、上場インフラファンドは、資産規模が大きくなれば魅力的な投資対象になり得ると理解できますので、我々としては、速やかな資産規模拡大を実現することにより、機関投資家の方々にアピールしていきたいと考えています。
今回インタビューにご対応いただきました東京インフラアセットマネジメント株式会社 杉本 啓二様です。
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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