2016-02-05
J-REIT価格は、大幅に反発しました。1月21日の東証REIT指数は1,620.89ポイントでしたが、2月1日には取引時間中ですが1,885.80ポイントまで上昇する局面もあり、その後も1,800ポイントを超える水準で推移しています。
この大幅反発の要因は、日銀が1月29日に打ち出したマイナス金利政策ですので、今回はこの影響について記載します。
1. 日銀のマイナス金利導入とは?
2016年1月の日銀の追加措置の内容は、金融機関が日銀に預け入れする当座預金に対して2015年の平均残高に対しては従来通り0.1%の金利を付けるとする一方で、超過した部分についてはマイナス0.1%の金利を課すというものです。
日銀が金融機関からの国債買入れ額を据え置いていますので、2016年からは金融機関は国債を売却した代金を何らかのかたちで運用する必要性に迫られたことになります。
2. J-REITへの影響は?
金融機関の運用で代表的なものは国債への投資ですが、追加措置公表以降10年国債の利回りが0.1%を切る水準が続いています。つまり国債への投資では、2015年と同様の利息収入が得られない状況となっているのです。
金融機関のJ-REIT投資に対する需要は、2015年12月に日銀が行った金融緩和の補完措置により高くなっていました。
2015年12月の金融機関のJ-REIT買越額は300億円を超え、東証REIT指数が安定的に1,800ポイントを超えていた2015年1月から6月までの水準に回復していました。
この需要回復にも10年国債利回りの低下が影響していましたが、今回の追加措置により国債の利回り変動による価格変動リスクが増大することにもなりましたので、金融機関は比較的利回りの高いJ-REIT投資を行う必然性が高くなっているのです。
3. 今後のREIT投資の注意点
但し、J-REIT価格が安定的な上昇局面で推移するとは考えられません。
年初からの株式市場下落要因となった中国経済の減速など、日銀の政策では手が届かない要因が多いためです。
従って金融機関のJ-REITへの投資需要が極めて高い状況にはなっていますが、今後も急落する可能性は否定できません。
このような点から、当面のJ-REIT投資は海外要因によって急落し、東証REIT指数が1,700ポイントを下回る局面があれば積極的に投資を行い、2月1日に付けた年初来高値の1,850ポイント程度では売却を検討するという短期的な運用が必要な状況と言えそうです。
また、売るタイミングを逃した場合でも、前述の通り金融機関の投資需要は旺盛ですし、さらに日銀がマイナス金利幅を拡大する可能性が高いものと考えられますので、狼狽売りしないことが重要になりそうです。
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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