(2008/10/09)
ニューシティ・レジデンス投資法人(NCR)は、9日、民事再生法の申請を公表した。J-REITの事実上破綻は市場開設7年で初めて。 民事再生の要因は、10月に返済期限の到来する借入金の借換え及び10月末に277億円で取得予定であった池袋の物件の資金調達の目処が立たなくなったためによるもの。 NCRは安定した賃貸収益を保持してきたが、急速な拡大に伴い短期借入金依存度が高い上に市況が急落する中で昨年12月に取得を公表した大型物件の資金調達も重なったことが致命的となった。この点から賃貸収益の安定性が高いJ-REITという投資主体に対しても金融機関の融資姿勢は極めて厳しい点が如実となった。 J-REITの破綻は初めての事例であるため、今後の処理方法は予断できないが、民事再生である点及び賃貸収益は安定しているため、新スポンサーの出資を受ける可能性が高いものと考えられる。この場合には既存投資主の出資口の大半が毀損することになろう。全額減資とならなくても既存投資口の併合が行われる可能性も高く、大半の投資家は減資価格で売却を余儀なくされるものと考えられる。 なお、スポンサーが現れない場合には、物件売却を行っていくことになる。この場合も民事再生申請に伴い全借入金の返済期限が到来した状態になるため遅延利息が嵩む点や、破綻に伴う物件売却であり厳しい不動産市況を鑑みると、投資家に配分される可能性は極めて低いと考えられる。
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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