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REITキーマンに聞く!「双日リートアドバイザーズ株式会社 渾大防 清 氏」
―――現在のポートフォリオの特徴は?
物件分散、テナント分散というのが特徴で、Bクラスオフィスビルを積み上げています。
今回POで33物件取得するのですが、1物件平均26億円になります。平均26億円の物件を33物件積み上げて合計で53物件にして1560億円にしたのですが、これは結構実務上大変なことでしたが、ここには物件分散・テナント分散を図るというポリシーの下、全社を挙げて対処しました。
IPO時は上位5物件の比率は全体の61%でしたが、今回のPO後でその比率は29.2%に減りましたが、これは、26億円の細かい積み上げだからこそ実現したものです。大規模物件中心に取得していたらこの結果は得られなかったと思います。
さらに大事なのはテナント分散で、大口テナントが抜けた場合のキャッシュフローへの影響は大きく、DPUにも影響が出るので、そのリスクを減らすことは目標としました。結果的に、IPO時の上位10テナント比率29.1%を、17.7%まで減らせることができました。
―――財務戦略上、気を使っている所は?
IPO時からLTVのコントロールの範囲は45%~55%と申し上げてきましたが、当面は45~50%の間でコントロールをしたいと思っております。
常に意識しているのは、ローンの返済期日が綺麗に分散されるようにすることです。既存ローンの期日が到来する際には、都度返済期日の分散を意識しリファイナンスを行っていきたいと思っています。金利条件の方針としては、4年以上は固定でとり、3年までは変動で良いかと考えています。
結果的に、都度リファイナンスをして行けば、と徐々に固定化が進むことになり、固定比率上昇を実現できると思っています。
現状の固定化比率について、他社比低いとよく指摘を受けますが、すべての借入について、現状の金利水準が安いからと言って、大幅に固定化を進めるというのは、結果的に余分なコストを払うことになってしまい、DPUを毀損させることに繋がる可能性があり、できる限りうまく管理して余分な金利を払うことなく、その分はDPUに回したいと思っています。
あと長期比率については、今回PO時に8年ローンを5億円ですが、初めて借りることが出来ました。IPO時は5年までだったので、長期比率はわずかながらですが改善しました。