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「REITキーマンに聞く!」大和ハウス・アセットマネジメント株式会社 加藤 康敬 氏
「REITキーマンに聞く!」今回は、大和ハウス・アセットマネジメント株式会社 加藤 康敬 氏にJ-REIT市場とファンドの特徴をインタビュー形式でお話していただきました。
――J-REITの取得価格の割合が下がっているのは、REIT以外の競合がキャップレートを低い状態で取得している中で、当然投資家へのリスクを考えて保守的な取得ということですが、競合はそれでも取得をしているという中で、アクイジション業務の際、どのように取得を行っているのでしょうか?
取得先は、第三者から取得するのと、スポンサーから取得するというのがありますが、第三者から取得する場合は、相対での取引は少なく入札による競争となるため、物件を安く取得することは困難になります。そうなってきますと、スポンサーのサポートが重要となってきます。幸い本投資法人は、スポンサーの大和ハウス工業株式会社(以後大和ハウス)が、本業の業績も好調な上、本投資法人が運営する開発や管理、運営もすべて手掛けているので、適正な価格で、マーケットの影響にさらされることなく相対取引で交渉ができるという環境にあります。
今年の5月に取得した物件に関しても全てスポンサーが開発した物件となっており、このような時期に取得できるのもスポンサーのサポートがあるからこそだと思います。
――スポンサーの利益とREIT向けの価格ギャップのバランスの判断はどうされていますか?
まずは既存のポートフォリオに寄与するような利回り感での価格交渉があります。
弊社の取得したい目線とスポンサーの売りたい目線があります。売主も簿価やマーケットに出した時の相場等の目線があり、価格交渉においてすぐには合意に至ることはなかなかありません。お互いの摺合せの上、双方納得のできる価格にて交渉をしております。但し、どうしても価格が合意できない時は、REITとして取得はあきらめ、他との交渉をしていただいております。それは、やはりすべてが安価で弊社の目線に合うものでない時もあるという事です。
――そう考えると平成25年と比べるとマーケットが大きくなったことや、投資家の資金投入が多くなり、よい面がありますが、実はアクイジションとしては逆風な状況なのでしょうか?
金利や投資口価格動向については追い風となっておりますが、不動産売買マーケットのプレイヤーが多くなっていることはアクイジションとして逆風となっているのかと思います。なかなかすべてがうまくフォローの風が吹くというわけにはいかないのかなと思っております。
但し、物件の価格が上昇しても、資金調達環境が良いことや、投資口価格が上昇してプレミアム増資という形ができるのであれば、ポートフォリオの利回りを勘案した上で取得を検討することもできるのかなと思っております。