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「REITキーマンに聞く!」株式会社星野リゾート・アセットマネジメント 隆 哲郎 氏
「REITキーマンに聞く!」今回は、株式会社星野リゾート・アセットマネジメント 隆 哲郎 氏にホテル(観光)業界とファンドの特徴をインタビュー形式でお話していただきました。
――ホテル・旅館の物件取得について、どのような観点で取得検討していくのでしょうか?
まず何よりも、安定した収益を生み、長期的・安定的なキャッシュ・フローを確保できるホテル・旅館が前提です。そういった収益性の高い物件は、ビジネスモデルや運営力、立地等の優位性によって差別化されています。その中から我々は、「ソフトの優位性」(独自のビジネスモデルやブランド力を持ち、優れたオペレーターによって運営されているかどうか)、「ハードの優位性」(立地や建物に希少性があるかどうか)の2つの観点で物件の選定を行っています。
また、星野リゾートグループの運営物件だけでなく、外部オペレーター運営物件も含めて売却情報を積極的に入手し、REITとして長期的・安定的なキャッシュ・フローが確保できるよう、柔軟なポートフォリオ構築を目指しています。
――シェアリングエコノミーに関わるサービス等が展開していますが、既存の法規制などについていかがでしょうか?
アメリカから始まったビジネスで気軽に利用できますし、近く日本でもブームが来るのではないでしょうか。しかし、日本で根付いていくには法規制への対応を含め、いくつかある問題をクリアしていかないと難しいように思います。
例えば、草分け的存在で、Airbnb(https://www.airbnb.jp/)という宿泊の仲介的なサービスがありますが、このようなサービスは、旅館業法の範囲に入るのか入らないのかという問題があります。サービスが普及し、市場規模が大きくなってきた時には、旅館業法の中での整理が必要ではないかと思います。
特に顧客側からすると、安全面や保障されている品質等で個人と個人の間を結ぶプラットフォームの仕組みが旅館業法から外れてくると、不安や不便が生じます。特に安全性等については、重要な論点ではないかと考えます。
また、例えばアメリカであれば、トラブルが起きた時に、それを介したプラットフォームについて責任を問うような文化は無いように思いますが、日本においては、「このサイトで紹介を受けて使ったのに・・・」といったクレームにつながることも想定できます。気軽に利用できる特徴を残しながらも、近隣住民への理解や鍵の受け渡し方法など、日本式にカスタマイズが必要な部分も多そうです。