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「REITキーマンに聞く!」ケネディクス不動産投資顧問株式会社 浅野 晃弘氏
今回は、ケネディクス不動産投資顧問株式会社 浅野 晃弘氏に業界動向やファンドの特長に関してインタビュー形式でお話していただきました。
――スポンサー及びサポート会社によるパイプライン・サポートなど今後の外部成長戦略をお聞かせいただけますでしょうか?
外部成長できる体制が大事だと思っています。
生活密着型商業施設は、小売マーケットのボリュームゾーンであるにもかかわらず、今まではこのゾーンにフォーカスしたリートがありませんでした。現在の不動産マーケット全体に物件がなかなかないという中で、生活密着型商業施設は競合が緩やかという意味では、本投資法人は比較的外部成長をしやすい環境にあると思います。
また、スポンサーであるケネディクスからの全面的なサポートの他に、外部の3つのサポート会社(三井住友ファイナンス&リース株式会社、日本商業開発株式会社及び株式会社ピーアンドディコンサルティング)と協力体制を築けたことも大きかったと思います。
GMSのシェアが小さくなる一方、食品スーパーやNSCの新規の案件が生まれていますので、GMSの建て替え時には、新たに物件の開発をすることも大事なファンクションになると思います。
その能力を持ったサポート会社の3社と協力して案件を進めていけるのは本投資法人の強みだと思います。
スポンサーのケネディクスでも昨年後半から、食品スーパーやNSCの開発案件に力を入れてきており、具体的な案件が進んでいますので、万全の体制でサポートいただけていると思います。
――パイプラインが多岐にわたるというのは他リートではあまりなく、特徴的ですね
スポンサーからの物件を待つだけではなく、サポート会社や外部の事業会社から取得することもあり、いろいろなルートがあるというのは本投資法人のひとつの大きな強みです。
――テナントもそのパイプラインに紐づくこともあるので、その点が広くポートフォリオに影響するようなことがあると思いますがいかがでしょうか?
確かにいろいろなアプローチで物件が取得できると思います。
現在では400強のテナントに入居いただいており、本投資法人にとって財産であります。
実績を重ねることで本投資法人を理解いただき、また、PM業務やコミュニケーションを通じて信頼関係を構築することでテナント側からオフバランス案件や新規の開発案件などのご相談をいただくこともあります。
そういった切り口で案件パイプラインが広がってきているのは大きな財産です。
――第1部では未消化容積を活用した建物増築による内部成長の話をお伺いしましたが、それ以外で内部成長戦略となるものはありますでしょうか?
コスト削減による収益アップはできると思っています。
例えば「ブルメール舞多聞」では、元々の床材がワックスをかけないといけない大変手間がかかるものでした。これは以前のオリジネーターによる仕様でつくられた物件でしたが、床材をワックス不要のものに張り替えたことで年間300万円強のコスト削減ができました。
商業施設なので当然、経年劣化の進んだトイレや廊下などをリノベーションするのですが、同時に照明のLED化も行ったりしています。
例えば「フルルガーデン八千代」や「ブルメールHAT神戸」では、7,000万円ほどかけてLED化を行い、電気代で年間1,400万円程度の削減ができました。
一般的な商業施設はまだLED化できていないものがあり、本投資法人が蓄積してきたノウハウを活用してコスト削減を積み重ねればNOIも上げていくことができると思います。
――清掃という一面をみただけでも結構変わりますね
決してクオリティを落としてはいけないと思いますが、オーバースペックなところは経験値で分かってきていますので、BM会社と「ここまでであれば切り詰められる」などの相談をしています。
これはマルチテナント物件だからできるのであって、一棟貸し物件ではなかなか難しいと思います。マルチテナント物件は手間はかかりますがひとつひとつの積み重ねが収益アップに繋がると思います。