REIT注目記事
活況を呈する沖縄でのホテル投資・開発
1月18日週のニュース概観
(写真/PIXTA)
概況
1月18日週のニュース概観だが、日本を代表するリゾート地の一つである沖縄に関するニュースが続いた1週間であった。 まず沖縄県への観光客の流入状況だが、1月21日に沖縄県が発表した「H27年入域観光客数概況」によると、平成27年(暦年)の観光客数は前年比10%増の776.3万人と過去最高を記録している。そのうち「インバウンド」という言葉と共に注目を浴びるようになった外国人観光客は前年比68%増の約150.1万人とこちらも最高記録を記録している。こうした好調な観光需要と楽観的な将来展望に支えられ、企業やREITは沖縄でのホテル投資・開発を活発化させている。
1月18日には森トラスト(森トラスト総合リート投資法人のスポンサー企業)が沖縄県宮古諸島伊良部島南岸部で約7.3千㎡の土地を取得したこと、そしてそこに2019年~2022年を目途としてラグジュアリーホテルを開業する計画であることを発表した。同社は既に2016年秋頃上場という予定でホテルREITを新規組成することも発表しており、当該ホテルREITが将来的に今回発表されたホテルを取得する可能性もある。
1月19日には米ホテル大手のヒルトン・ワールドワイドが那覇市のホテル「ホテル日航那覇グランドキャッスル」を「ダブルツリーbyヒルトン那覇首里城」とリブランドして7月1日から開業することを発表した。これによりヒルトン・ワールドワイドが日本国内で運営するホテルは13件(沖縄では3件)となる。なおヒルトン・ワールドワイドについては、保有するホテル等をREITとしてスピンオフする計画があると昨年12月に報じられている。
1月22日にはユナイテッド・アーバン投資法人が沖縄県那覇市のホテル「ロワジーホテル&スパタワー那覇」を200億円で取得することを発表した(取得予定日は2月5日)。当該ホテルは築年数約23年の本館と同約8年の別館から構成され、客室数は本館417室、別館185室となっている。
また同日には沖縄県より、本島東岸部の中城湾港マリンタウン地区に建設を計画している大型国際イベント施設の概要を発表した。それによると当該施設は2017年度の着工と2020年度の供用を予定しており、7.5千㎡の多目的ホールを中心に最大で4万㎡の展示面積を確保可能で、5千人規模の会議等の同時開催、2.5万人超の大型コンサートにも対応可能なものになるという。
物件動向
1月18日週の物件動向だが、概況で取り上げたものの他、以下の2件(いずれも物流施設)があった。
- a. 茨城県古川市:「プロロジスパーク古河2」計画
- 18日にプロロジス(日本プロロジスリート投資法人のスポンサー企業)が開発計画を発表したもの。日立物流ファインネクスト専用の物流施設で、地上2階建て、延床面積約2.2万㎡。2016年7月に着工し2017年4月末に竣工する予定である。これによりプロロジスが日立物流グループ企業向けに開発する専用物流施設は6件目となる。
- b. 埼玉県比企郡吉見町:「プロロジスパーク吉見」計画
- 21日にプロロジスが竣工式を行ったと発表したもの。当該物流施設はマルチテナント型で地上3階建て、延床面積約10.4万㎡。2014年7月に着工し、無事竣工を迎えた。竣工に先立って12月に行われた内覧会には3PL企業を中心に23社が参加し、圏央道川島ICや関越自動車道東松山ICからいずれも自動車で10分程度という立地に好評価が寄せられたという。