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国土交通省、平成28年度「不動産証券化事業の具体化に向けた支援事業」の募集を開始
7月25日週のニュース概観
(写真/PIXTA)
概況
7月27日、国土交通省は平成28年度「不動産証券化事業の具体化に向けた支援事業」の募集を開始した。これは、地方都市における不動産証券化事業の実現に向けて専門家の派遣やアドバイスといった事業支援を希望する業者を応募するもので、選定された業者にはデロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社が事業支援を提供していく。
同省はこれまでにも各種審議会等で証券化を通じた資金調達の活発化によって優良なインフラや不動産といった資産の形成・再生を進めていくことが地方再生には重要という認識を示しており、地方公共団体や地方金融機関を対象として証券化に係る知識の普及を目指してセミナー等を開催してきた。今回の募集はそこからさらに一歩踏み込んだ施策といえよう。 応募期限は8月26日まで
同日、大和ハウス工業がタイで現地物流不動産開発大手WHA社と合弁企業を設立し、レムチャバンやバンナで物流施設の開発、運営、管理、賃貸事業を開始すると発表した。
今回発表された合弁事業の舞台だが、レムチャバンはタイランド湾に面した港湾都市であり、バンナはバンコク港やスワンナブーム空港へのアクセスが容易と、いずれもタイにおける物流の要衝である。
東南アジア大陸部(インドシナ半島)では中国昆明とタイ・バンコクを繋ぐ南北回廊、ベトナムからラオスやタイ、カンボジアを経由してミャンマーに至る東西回廊や南部回廊(第2東西回廊)の開発・機能強化が進められている。大和ハウス工業が今回発表したタイ企業との合弁設立は、こうした交通インフラの整備に伴う物流業の成長を取込みを狙ったものと見られる。
物件動向
7月25日週は以下の3件の物件動向が報じられた。中でも、先週に引き続いて森トラストが観光地での物件取得に動いたことが注目される。
- a. 神奈川県横浜市:「大船駅北第二地区第一種市街地再開発事業」計画
- 7月26日、東急不動産が2014年から参画している「大船駅北第二地区第一種市街地再開発事業」について、横浜市から権利変換計画の認可を受けたと発表した。
権利変換計画とは、再開発前の土地・建物について再開発組合員が有していた権利(旧権利)が再開発後の土地・建物への権利(新権利)にどう反映されるかを定めたもので、これが認可されると、予め権利変換計画内で定めておいた期日を以って旧権利は新権利に置換される。
このまま当該再開発事業が順調に進めば、JR大船駅笠間口に隣接した敷地約8,838㎡に、地下2階地上21階建て(延床面積約65,861㎡)の住宅、商業施設等からなる大型複合施設が2020年12月に竣工する見込みである。 - b. 兵庫県西宮市:「(仮称)西宮北口阪急ビル」計画
- 7月26日、阪急電鉄が西宮北口駅隣接地で8月1日からビル建設工事を開始すると発表した。
建設されるビルは地下1階地上10階、延床面積約11,600㎡という規模で2018年秋頃の竣工を予定している。竣工後は1階から4階が飲食や物販等の各種店舗、5階から10階は主に教育系や育児関連のサービス施設として利用されるという。 - c. 長野県北佐久郡:「(旧)塩沢温泉 高林閣」取得
- 7月28日、森トラストが有名リゾート地軽井沢において6月29日に「(旧)塩沢温泉 高林閣」跡地を取得していたことを発表した。当該跡地の敷地面積は約21,300㎡で豊富な自家源泉を有しているのが特徴。森トラストは当該跡地の源泉を活用して軽井沢の通年型国際リゾート化を推進していく考えを示している。