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三井不動産のマレーシア商業施設、東南アジア最大級目指して増床工事開始
11月14日週のニュース概観
(写真/PIXTA)
概況
11月14日、三井不動産株式会社(以下、三井不動産)がマレーシアの商業施設「三井アウトレットパーク クアラルンプール国際空港 セパン」の第2期増床工事開始を発表した。
「三井アウトレットパーク クアラルンプール国際空港 セパン」は三井不動産と現地企業MALAYSIA AIRPORTS HOLDINGS BHD.の合弁企業が運営する商業施設で、クアラルンプール国際空港近隣地に2015年5月30日に開業した。車を利用すると空港から5分、クアラルンプール市中心部から50分という立地の良さもあり、開業以来マレーシア内外のファミリー層の需要を捉えることに成功している。
当初は延床面積約4万㎡、約130店舗で操業を開始したが、今回の第2期増床工事が完了すると延床面積約5.7万㎡、約190店舗に規模が拡大し、店舗数では東南アジア最大級のアウトレットモールに成長する。
第2期増床工事は2018年1月には完了の予定だが、三井不動産は2021年完成を目途として第3期増床工事も計画しており、成長の続くマレーシアの内需、そして同国を訪れる外国人観光の消費を積極的に取り込んでいく構えを示している。
11月18日、阪急阪神ホールディングス株式会社(以下、阪急阪神HD)とセイノーホールディングス株式会社(以下、セイノー)が業務・資本提携に向けた協議の開始を発表した。
両社はこの業務提携が既存物流事業強化に繋がる他、物流・商流の活発化による阪急電鉄・阪神電気鉄道沿線の価値向上も期待できるとの見方を示した。
また資本提携については、相互に取得総額10億円を目途とした株式持ち合いを行うことで合意し、今後取得時期・方法の詳細を決定するという。
今回業務・資本提携に向けて舵を切った阪急阪神HDとセイノーだが、阪急阪神HDは総合型J-REIT「阪急リート投資法人」のスポンサーである。一方、セイノーは物流を主力事業としつつ不動産事業も展開しており、2012年には保有不動産の有効活用を狙って「不動産開発部」を創設している。
ここでセイノーの2016年3月期決算短信を見ると、不動産賃貸事業売上高は14億円で全セグメント合計の約0.26%を占めるにすぎない一方、同社保有不動産(建物及び構築物の純額と土地、建設仮勘定の合計)の簿価は約2,660億円で資産総額約5,796億円の約46%を占めている。この不動産の活用に、今回の業務・資本提携がどう影響するか興味深い。
物件動向
11月14日週に発表のあった主な物件開発は以下の2件。
- a. 兵庫県神戸市:「GLP神戸西Ⅱ」計画
- 11月15日、グローバル・ロジスティック・プロパティーズ株式会社(以下、GLP)が神戸市西区でのマルチテナント型物流施設の開発着工を発表した。
計画によると当該物流施設は、山陽自動車道「神戸西IC」近隣の敷地(面積約3.4万㎡)に延床面積約7.1万㎡、地上4階建てという規模で建設される。設計上の特徴は、レイアウト変更や業務自動化のための自動ラック、コンベヤ類の導入といったユーザー・カスタマイズへの柔軟な対応を重視している点だという。 竣工は2018年1月の見込み。
- b. 大阪府大阪市:「大阪弥生会館跡地開発」計画
- 11月16日、西日本旅客鉄道会社株式会社が、大阪市北区の大阪弥生会館跡地についてホテルとして開発すると発表した。
発表された計画によると、跡地約3,200㎡に地上8階建て、客室数400室、延床面積約14,000㎡のハイクラス宿泊特化型ホテルを建設し、既存のホテルブランド「グランヴィア」「ヴィアン」に続く第三のブランドで運用を行うという。
ホテルは2018年春の開業を予定しており、主なターゲット層として大都市圏滞在のビジネスマンや個人レジャー客を想定しているとのこと。