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住友商事、物流不動産事業が本格稼働開始
11月21日週のニュース概観
(写真/PIXTA)
概況
11月21日、住友商事株式会社(以下、住友商事)が「SOSiLA」ブランドで習志野での開発を進めていた物流施設「SOSiLA習志野茜浜Ⅲ」の竣工と満床での稼働開始、そして物流不動産事業をオフィス、商業施設、分譲マンションに続く不動産事業「第4の柱」として位置付け積極的に展開していくことを発表した。
まず竣工と満床稼働が発表されたSOSiLA習志野茜浜Ⅲだが、これは湾岸道「谷津船橋IC」から約2.8km、京葉道路「花輪IC」からは約3.8kmの東京湾に面した敷地約1.9万㎡に建設された地上4階建て、延床面積約3.8万㎡の物流施設。アパレル・通販事業者を主なターゲットとしており、住商グローバル・ロジスティクス株式会社および株式会社スタートトゥデイが入居した。
「SOSiLA」ブランドでの物流開発については他に神奈川県で2件開発計画が進んでおり、相模原市では開発用地約2.9万㎡を取得し、横浜市緑区では2017年9月末の竣工・稼働開始を目指して住友商事開発物件としては初のランプウェイ型物流施設開発工事を進めている。
また今後の物流不動産事業の展開については、住友商事が投資している物流施設資産規模が総計1,000億円を超えたこと、そして早期の資産規模2,000億円到達を目指して首都圏・関西圏を中心に年間300億円規模の投資を行っていくことが明らかにされた。所謂「五大商社(三菱商事、三井物産、住友商事、伊藤忠商事、丸紅)」のうち、2016年11月25日時点で上場REITのスポンサーになっていないのは住友商事のみ(私募REITのスポンサーにはなっている)だが、そんな同社が物流施設開発等の不動産事業を拡大させていく中で上場REIT組成に舵を切ってくるか、今後が注目される。
物件動向
11月21日週の物件開発動向だが、主だったものとして以下の2件の発表があった。用途はいずれもホテル。
- a. 東京都千代田区:「(仮称)三井ガーデンホテル大手町」計画
- 11月24日、三井不動産株式会社(以下、三井不動産)と中央土地株式会社(以下、中央土地)、株式会社三井不動産ホテルマネジメントの3社が、千代田区内神田で進めているホテル開発計画の着工を発表した。
計画は、中央土地が自社所有の土地約698㎡(東京メトロ「大手町駅」から徒歩3分)に地上14階、延床面積約6,235㎡、客室数約190室のホテルを建設し、それを三井不動産グループが賃借して「三井ガーデンホテル」ブランドで運営していくというもの。2018年春の開業を予定しており、都内で展開する同ブランドホテルとしては7件目となる。
- b. 京都府京都市:「クロスホテル京都(仮称)」計画
- 11月24日、オリックス不動産株式会社(以下、オリックス不動産)が2018年秋に京都市中京区で「クロスホテル京都(仮称)」を開業すると発表した。
当該ホテルは、現在、京阪電鉄「三条駅」から徒歩4分、阪急電鉄「河原町駅」から徒歩7分の敷地約2,176㎡にて開発が進められており、完成後は地上9階建て、延床面積約14,000㎡、客室数約300室のホテルが姿を現す。
「クロスホテル」ブランドとしては札幌、大阪に続いて3件目のホテルであり、運営はオリックス不動産の100%子会社クロスホテルズ株式会社が行う。