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【後編】第3回「不動産投資市場政策懇談会」
2016年1月29日 国土交通省開催
2.資金供給の担い手の多様化等について
J-REIT市場、実物不動産市場に参加する投資家の層をどのように厚くしていくのかという観点から議論が行われました。
ここでは、国土交通省側から年金等の機関投資家、個人投資家、海外投資家のいずれもが投資情報の入手しやすさ、速報性の高さを求めているという各種調査結果と官民連携で不動産市場の透明化、投資情報やインデックスの整備・充実に力を入れていくべきという考えが示されました。
委員の側からは官民連携による情報発信・整備の強化に対する賛同の他、「リーマンショックのような危機時に不動産価格がどこまで下がるのか、国土交通省と金融庁が協力してデータを持ち寄り、分析し、結果を提供することで金融機関が適切なリスク判断のもとで不動産投資を行うことが可能になるのではないか」、「人口減少社会の中で不動産投資がどれだけ有望性、将来性を保っていけるのか、国は投資家にビジョンを示す必要があるのではないか」、「最近私募REITが人気を博しているが、そのセカンダリー市場を構築できれば換金が容易になってより多くの機関投資家が投資に踏み切るのではないか」といった意見が出されました。これら意見に対して国土交通省側は中長期的な課題として検討・取組を行っていく意向を示しました。
3.不動産市場の透明性向上等について
1や2で行われた議論とも重複する部分も多いテーマですが、やはりJ-REITであろうと実物物不動産であろうと、取引や価格の妥当性を判断する上で基準となる指標や比較対象となる情報がなければ市場の活発化は望むべくもありません。
そこで、国土交通省側からは現在住宅についてのみ作成している不動産価格指数の対象を店舗やオフィス等にも広げていくこと、そして四半期ごとに公開している不動産取引価格情報の速報性を高める方向で検討していることが明らかにされるとともに、重ねて官民連携による英語情報発信の重要性が強調されました。
これを受けて委員の側からは、不動産や取引についての情報だけでなく不動産市場全体に関する法規制や取引慣習、データベースサービスも英語で発信する必要があり、それは個別の企業の努力では及ばない面もあるので官民が協力し合って進めていくことが必要という認識が示されました。
以上が第3回「不動産投資市場政策懇談会」の概要です。議論やそこで示されたアイディアは前回、前々回のものと合わせて3月に中間とりまとめにまとめられる予定です。
このとりまとめ結果が実際の政策に反映されると、J-REIT市場や実物不動産市場は、個人を含めた様々な投資家にとってより身近で魅力的な市場になってくるのではないでしょうか。