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2016年06月03日

【後編】2016年5月24日ARESセミナーレポート

ARESセミナー

【第二部】-1.不動産私募ファンド実態調査結果報告

第二部は、ARES会員企業が運営している私募ファンドに対する動向調査の結果報告から始まりました。
「私募ファンドとは?」ですが、大枠を説明すると、不動産を投資対象とする組織のうち、機関投資家のみ投資することが可能で、「株式会社」や「投資法人」以外の組織形態を採用しているものとなります。
多くの投資家が参加する株式会社や投資法人(J-リート)と違って情報開示が極めて限定的で謎に包まれた部分も多いのですが、ARESでは不動産投資市場の透明化や情報の充実を図るため、会員企業が運用している私募ファンドについて年1回アンケート調査を行い、その結果を公表しています。

今回発表されたのは2015年12月末時点の調査結果ですが、そこで注目されるのは、以下の点です。
・運用予定期間について、7年以上もしくは定めなし・無期限としているファンドが2008年以降増加傾向にある。
・運用戦略をコア(※)とするファンドが72%を占める。
・保有物件の用途はオフィスが50.5%を占める。
・2008年以降、LTV60%未満のファンド比率が一貫して上昇しており、今回の調査結果では調査対象の約57%がLTV60%未満であった。

※コア:収益を不動産賃貸料のみに求める運用戦略。売買頻度は各運用戦略の中で最小。

「ファンド」というと大胆な借入によるレバレッジと積極的な回転売買で派手に利益を叩き出すイメージを抱いてしまいがちですが、現在の主流は限定的な借入と不動産賃貸料による堅実な収益獲得にあるようです。

【第二部】-2.私募リート関連の取組み報告

最後は、ARESが公表を開始した「私募リート・クォータリー」と「私募リートインデックス」の紹介でした。
Jリートに比べると公表される情報が少ない私募リートですが、今年に入ってからARESでは私募リート銘柄数や資産規模推移、保有資産種別、投資家分布状況、そしてインデックスを公表しています。
機関投資家のみ投資が可能ということもあって個人投資家には接点の少ない私募リートですが、Jリートにも大きな影響を与える不動産市況全体を把握するための一助として、ARESが公開している情報を覗いてみるのもいいのではないでしょうか。

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