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Jリート15周年記念シンポジウム
2016年10月13日(木)開催
2001年にJリート市場が発足して今年で15年がたちました。当初2銘柄に過ぎなかった上場銘柄は今や50銘柄を超え、運用資産総額は15兆円規模に達し、時価総額も10兆円を超える水準で安定しています。
このJリート市場の成長を記念するとともに、今後の可能性・見通しを論じる場として、2016年10月13日、一般社団法人不動産証券化協会(以下、ARES)と株式会社日本取引所グループ(以下、日本取引所グループ)が「Jリート15周年記念シンポジウム」を開催しました(会場:東京大学本郷キャンパス 伊藤国際学術研究センター 伊藤謝恩ホール)。今回のセミナーレポートではその様子をお届けしたいと思います。
ARES会長岩沙弘道氏の挨拶で幕を開けたシンポジウムは、以下のプログラムで進められました。
1.基調講演「世界経済と日本経済の動向」
講演者:岩田一政氏 公益社団法人日本経済研究センター 代表理事・理事長
2.パネルディスカッション「日本経済社会の発展と課題―Jリートの担う役割―」
モデレーター
・加藤えり子氏 株式会社ニッセイ基礎研究所 金融研究部 不動産運用調査室長
パネリスト
・岐部一誠氏 前田建設工業株式会社 取締役常務執行役員 経営企画担当兼事業戦略本部長
・中川雅之氏 日本大学経済学部 教授
・樋口千恵氏 アルファコート株式会社 常務取締役
・村山慶輔氏 株式会社やまとごころ 代表取締役 インバウンド戦略アドバイザー
(氏名50音順)
1. 基調講演「世界経済と日本経済の動向」
まずは公益社団法人日本経済研究センターの岩田氏より、不透明感の強まる世界経済、日本経済についてお話を頂きました。
岩田氏は2016年、2017年の世界経済について、IMF等の資料を引用しつつ労働生産性向上の減速、先進国における人口減少の進展といった基礎体力の弱体化に加え、以下のリスク要因に足を引っ張られ「ぱっとしない」軟調な展開になるという見通しを示しました。
【2016年、2017年世界経済のリスク要因】
・米国経済:設備投資は既にピークアウト。住宅市場に息切れの気配
・中国経済:企業債務の急速な拡大とその巻き戻しの可能性
・原油価格:低価格が産油国の財政・投資に与える影響
・欧州経済:遅々として進まない各国金融機関の不良債権処理
・地政学リスク:特に北朝鮮の核・ミサイル開発の進展と米国の先制攻撃の可能性の増大
その上で、岩田氏は日本経済は移民受入を含む人口維持、投資や観光における国際化の推進、IoTに代表される技術革新への適応、働き方改革といった成長戦略をどこまでスピーディーに進められるかが一層重要になってくると強調して講演を締めくくりました。