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阪急不動産と西日本鉄道、ベトナムでの大型分譲住宅開発計画4案件目に着手
4月17日週のニュース概観
(写真/PIXTA)
概況
4月17日、西日本鉄道株式会社と阪急阪神グループの阪急不動産株式会社(以下、それぞれ西日本鉄道、阪急不動産)がベトナムでの住宅開発計画始動を発表した。
発表によると、今回始動したのはベトナム・ホーチミン市での総敷地面積約26.3万㎡、居住人口約1.6万人の大規模住居開発。阪急不動産と西日本鉄道が組んでベトナムで進めている開発計画としては4番目の案件だという。
敷地は幹線道路を通じてホーチミン市中心部が通勤圏内となる立地で、阪急不動産と西日本鉄道はベトナム国内のアッパー・ミドル層や富裕層の取り込みに期待を示している。
ベトナム不動産市場には阪急不動産と西日本鉄道以外に、鹿島建設株式会社、大和ハウス工業株式会社と株式会社フジタといった錚々たる企業が最近相次いで参入してきており、当該市場における日本企業間の競争も一層激しさを増していくとみられる。
4月18日、日本アコモデーションファンド投資法人が開示資料「規約変更及び役員選任に関するお知らせ」を発表し、投資対象に宿泊施設を加えるための規約変更を行うことが明らかになった。
住居を主要な投資対象とするJ-REITがホテル等宿泊施設も投資対象とするために規約を変更するのは、今年に入ってケネディクス・レジデンシャル投資法人に続き2例目となる。
同様の規約変更からさらに一歩進んで実際にポートフォリオ構成を動かした前例としては2014年以降のインヴィンシブル投資法人があり、今や同投資法人の最新期(2016年12月期)ポートフォリオ構成は、ホテルが約68%、住居が約27%となっている。
日本アコモデーションファンド投資法人にも大規模なポートフォリオ組換えがあるかと考えてしまうが、4月19日に公開された同投資法人の決算説明会資料を見ると、宿泊施設やシニア施設等からなる「ホスピタリティ施設」への投資比率は10%を上限とすることが明記されており、劇的なポートフォリオ構成の変更は当面なさそうである。
ただし、住居の他に宿泊施設等から構成される複合施設への投資が行いやすくなったことは確実であり、資産規模(取得価格ベース)3,000億円突破を目前とした日本アコモデーションファンド投資法人の今後が注目される。
4月19日、三井不動産株式会社(以下、三井不動産)が米国首都ワシントンDC圏内で賃貸住宅事業を展開すると発表した。
発表によると三井不動産は米国子会社のMitsui Fudosan America, Inc.を通じ、ワシントンDC中心部まで地下鉄で15分の敷地約2,400㎡に地下5階地上22階、延床面積42,000㎡、総戸数330戸の住居ビルを建設し、賃貸事業を展開するという(当該建物は2017年内の着工と2020年内の竣工を予定)。
三井不動産としては米国で5番目となる賃貸住宅事業案件だが、同社は今後も引き続き事業計画の獲得を目指していくという。
今のところ、J-REITの海外物件取得の動きは極めて低調だが、今回の三井不動産や前述の阪急不動産のようにスポンサーの海外投資が進んでいけば徐々に具体的な案件も増えてくるものと思われる。
物件動向
4月17日週の物件動向だが、目立った案件の発表はなかった。