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プロロジス、アッカ社と組んで物流施設作業のロボット化を推進
7月24日週のニュース概観
(写真/PIXTA)
概況
7月24日、物流施設開発・運用の大手プロロジスが、物流分野における次世代技術の活用に向けて株式会社アッカ・インターナショナル(以下、アッカ)と基本合意書を締結したと発表した。
発表によると、両社は物流施設「プロロジスパーク千葉ニュータウン」を舞台に、中国企業ギークプラス社製のAI機能搭載型無人搬送ロボットEVEを30台導入し、作業効率の向上・省人化への有効性を検証していくという(EVEは既に中国でe-コマース大手のアリババグループが採用しているが、日本国内での導入は今回が初)。
e-コマースの普及に伴う配送の少量多頻度化と労働需給の逼迫による労働力不足を背景に、物流施設へのロボット導入を進める企業は増えているが、その効果や検証結果については非公開というのが一般的であった。対してプロロジスとアッカは、今回の取組みについて得られた知見・データは公開予定とし、9月には荷主企業や物流事業者を対象とした見学会を計画しているという。
e-コマース市場の成長は今後も続くと見られる一方、人口動態的に労働力人口の増大を見込むことは難しい状況下、プロロジスとアッカの試みが物流施設の更なる高機能化に繋がることが期待される。
7月24日、三井不動産株式会社(以下、三井不動産)がフィリピン・マニラ首都圏での分譲マンション開発に参画すると発表した。
発表によると、三井不動産は現地不動産企業Rockwell Land Corporation(同社はフィリピンの有力財閥ロペス財閥の一角でもある)と提携し、マニラ首都部に隣接したケソン市でのマンション開発に参画するという。
開発されるマンションは全部で3棟からなり、階数は小さい方から順に24階、28階、34階、3棟合計で戸数1,706戸、延床面積114,314㎡という規模。総事業費は86億フィリピン・ペソ(195億円相当)で2018年の着工と2025年の全体竣工を予定。
7月10日には野村不動産と三越伊勢丹HDがフィリピン・マニラでの住居。商業複合施設の開発を発表しており、現地の安定的な経済成長を背景に、日本企業のフィリピン不動産市場への参入が続いている。
7月24日、燦キャピタルマネージメント株式会社が孫会社のSGPEジャパン株式会社(以下、それぞれ燦キャピタル、SGPEジャパン)を通じて山林の賃借権と立木を購入すると発表した。
発表によると、取得対象となるのは鹿児島県肝属郡南大隅町の山林約約77万㎡の賃借権(期間25年間)と当該土地の立木全て(重量換算で約16万トンを見込む)。取得額は3,710万円で、燦キャピタルは今回購入した立木及び当該土地から新たに生育した立木をバイオマス燃料に加工・販売していく考え。
再生可能エネルギーの大宗を占める太陽光発電について固定買取価格の削減が続く中、今回のようにバイオマス燃料生産を目的とした日本国内での山林の取得がどこまで活発化するか注目される。
物件動向
7月24日週の物件動向だが、主なものとして以下の案件が発表された。
- a.東京都港区:「竹芝ウォーターフロント開発計画」
- 7月25日、東日本旅客鉄道株式会社(以下、JR東日本)が進めている「竹芝ウォーターフロント開発計画」について本体工事に着手したと発表した。
当該計画は、浜離宮恩賜庭園の南、竹芝エリアのJR東日本所有地約2.3万㎡を再開発し、ホテルやオフィス等が入居する複合施設、劇場からなる観光・ビジネス及び文化・芸術の発信拠点として生まれ変わらせるというもの。
再開発エリア全体の延床面積は約11万㎡でホテル部分の客室数は265室を予定している。今後、2020年春以降から段階的な開業を進めていくという。