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東急不動産、釧路で大規模太陽光発電所を開発
9月4日週のニュース概観
(写真/PIXTA)
概況
9月5日、東急不動産株式会社、三菱UFJリース株式会社、日本グリーン電力開発株式会社(以下、それぞれ東急不動産、三菱UFJリース、日本グリーン電力開発)が共同でメガソーラ発電所「(仮称)すずらん釧路町太陽光発電所」の開発を行っていると発表した。
発表によると、開発地は北海道釧路郡釧路町の遊休地約163万㎡(約163ha)。「日本最大の湿原」として名高い釧路湿原に近接した敷地に年間予想発電量約10.5万MWh、蓄電池併設型太陽光発電所としては発電規模国内最大級のメガソーラー発電所を建設する。工事は既に今年7月に着工しており、2019年度中に運転を開始する予定。
発電事業は3社が共同出資して設立したSPCが主体となり、アセット・マネジメント業務を東急不動産キャピタル・マネジメント株式会社が、フィナンシャルアドバイザリー業務をMULエナジーインベストメント株式会社(三菱UFJリースの100%子会社)がそれぞれ受託する。
東急不動産は先月にも再生可能エネルギー事業を展開するリニューアブル・ジャパン株式会社(日本再生可能エネルギーインフラ投資法人のスポンサー)と資本・業務提携に踏み切っており、今回開発が発表されたメガソーラー発電所が将来的に日本再生可能エネルギーインフラ投資法人のパイプラインに加わってくるか注目される。
なお北海道というと冬は雪に覆われるイメージがあり、太陽光発電との相性がよろしくない印象を受けてしまうが、釧路をはじめとした道東の太平洋側は年間平均日射量が千葉県や茨城県とほぼ同等の水準、土地価格が低廉、冬季の降雪量も僅少と太陽光発電と相性の良い特徴を多数有している。
9月6日、ケネディクス株式会社が(以下、ケネディクス)マレーシアのオフィスビルを保有するSPCを買収したと発表した。
発表によると、買収されたSPCが保有する物件は、マレーシア首都クアラルンプールの中心街にある62階建てのオフィスビル。
今回珍しいのは、ケネディクスが当該物件を自社での賃貸事業には充てず、スポンサーとなっているマレーシアREIT「AmanahRaya Real Estate Investment Trust」に売却する方針を示していることである。
日本企業がこれまで海外物件を取得した場合、自社グループ内で保有し続けて賃貸事業等に充てるか、外部に売却するかという選択肢しかなかったが、この先、海外REITのスポンサーとなってそこに海外で取得した物件を売却するという動きがどこまで活発化するか興味深い。
9月8日、企業年金連合会が「年金資産運用状況説明書 2016年度(平成28年度)」を公表した。
運用資産約11.7兆円に及ぶ企業年金連合会だが、不動産については東京23区内のオフィスビルと賃貸住宅合わせて10件に対して総額751億円の投資を行っているという。不動産投資の開始時期がリーマンショック後ということもあり、2016年度の運用利回りは時間加重収益率で7.38%。
今後は大規模オフィスを中心にポートフォリオ規模を2,000億円まで拡大させる予定。
物件動向
9月4日週の物件動向だが、特に目立つものはなかった。