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2017年12月11日

東急不動産、日本国内初のノルウェー中銀ローカルパートナーに選定

12月4日週のニュース概観

(写真/PIXTA)

概況

12月7日、ノルウェー中央銀行不動産投資部門が初の対日投資を行うこと、そしてそのローカルパートナーとして東急不動産株式会社(以下、東急不動産)が選定されたことが発表により明らかになった。
ノルウェー中央銀行は同国政府年金基金の運営を委託されており、その運用資産額は2017年9月末時点で約8兆ノルウェー・クローネ(109兆円相当)と世界最大規模を誇っている。そのうち不動産への投資が占める割合は2.5%で、これまで長期保有を前提に世界規模の投資を行ってきた。それが今回、東急不動産をローカルパートナーに迎えて初の対日投資に踏み切り、東急不動産との共同出資という形で渋谷区神宮前及び港区南青山の商業施設計5件を取得・運営することが決定したのである。取得額の総計は約1,325億円で、取得後のアセットマネジメント業務やプロパティマネジメント業務は東急不動産グループ会社が受託するという。
東急不動産は従来から渋谷とその周辺からなる「広域渋谷圏」の再開発、都市間競争力の向上を積極的に進めているが、今回確立されたノルウェー中央銀行不動産投資部門とのパートナーシップに基づいて「広域渋谷圏」への投資を更に加速させていく構えを示している。
為替水準や世界的な低利回り環境の中、依然として日本不動産は海外投資家から魅力的な資産としてみなされているが、とりわけ長期保有を前提とする公的年金基金及びその他政府ファンドによる物件取得は市況の急変に対するアンカーの役割を果たし得るだけに、今後も海外から長期保有前提の投資が続くことを期待したい。

12月8日、東急不動産が「LOGI’Q(ロジック)」というブランド名で物流不動産事業を推進していくと発表した。
昨年度から開始された東急不動産の物流不動産事業は、現在稼働中1件、残りは開発中という状態になっている。そのうち、まず大阪府枚方市と埼玉県白岡市でそれぞれ開発を進めている2物件について「LOGI’Q」ブランドで展開していくという。
Eコマースの発展とそれに対応した高性能・大型物流施設への需要は依然堅調で、物流不動産事業への参入も当面活発な状態が続きそうである。

物件動向

12月4日週の物件動向だが、主なものとして以下の2件の発表があった。

a.埼玉県入間郡:「三芳開発計画(仮)」
12月5日、シーアールイー株式会社(以下、CRE)が入間郡三芳町で物流施設開発用地を取得した。
取得地については、敷地面積約1.4万㎡、関越自動車道「所沢IC」からは約5.4kmで国道254号線や463号線へのアクセスも容易、周辺は倉庫・工場の集積地で24時間稼働が可能な立地だという。
今後の計画だが、2018年11月に着工して2019年11月に竣工する目途で地上3階、延床面積約2.4万㎡の物流施設を開発するという。
今回の用地取得により、CREの開発中物件は6物件、予定延床面積合計約11万㎡に拡大する。
b.兵庫県神戸市:「神戸駅前プロジェクト」
12月8日、NTT都市開発株式会社が株式会社サンテレビジョン、株式会社聚楽との間でJR神戸駅近隣地の開発に係る3者協定を締結したと発表した。
発表によると、まずNTT都市開発が神戸市中央区東川崎町一丁目の敷地約3,000㎡に地下1階地上13階、延床面積約1.4万㎡のビルを建設し、放送局とホテルの複合施設として活用するという(放送事業はサンテレビジョン、ホテル事業は聚楽がそれぞれ実施)。竣工は2020年度内を予定しているが、具体的な開発計画は今後更に検討・決定していくという。
これまでにもホテルとオフィスや商業施設等との複合施設は珍しくなかったが、今回の案件は放送局との複合施設ということであり、どのようなシナジー効果が発生するのか興味深い。
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