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三井不動産、新たに4件の物流施設新規開発を発表
5月21日週のニュース概観
(写真/iStock)
概況
5月21日、三井不動産株式会社(以下、三井不動産)が「三井不動産ロジスティクスパーク」ブランドによる物流施設開発について4件の新規開発決定を発表した。
新規開発は広島県広島市、神奈川県横浜市、東京都立川市、千葉県船橋市でそれぞれ進められ、竣工時期は最も早い広島市の案件で2019年8月、最も遅い千葉県船橋市の案件で2021年秋頃をそれぞれ予定。このうち広島市での案件は三井不動産にとって初の中国地方での物流施設開発となる。
この開発計画決定により、三井不動産の物流施設部門の規模は、開発済み施設18件、開発中施設14件、2012年4月の事業開始からの累計開発額は約4,800億円となる。そこから、同社をスポンサーとするJ-REIT「三井不動産ロジスティクスパーク投資法人」は約980億円で12物件を取得済み。
J-REITという安定した「出口」を擁する三井不動産の物流施設部門が、この先どこまで開発物件数や投資額を積み増してくるか興味深い。
5月23日、三井物産株式会社(以下、三井物産)が在外子会社による米国でのサービス付き高齢者向け住宅(以下、サ高住)取得を発表した。
発表によると、三井物産の米国子会社MBK Real Estate LLC(以下、MRE)はカリフォルニア州、ワシントン州、アリゾナ州にある計9件のサ高住を約3.8億ドル(420億円相当)で取得するという(引渡予定日は2018年6月下旬)。
この物件取得でMREが保有する物件数は34件(約3,800室)に拡大するが、米国における高齢者人口の増加傾向を背景に、三井物産は同国におけるサ高住事業をより積極的に進める構えを示している。
物件動向
5月21日週の物件動向だが、以下の2案件の発表があった。いずれも首都圏での物流施設開発案件である。
- a.千葉県松戸市:「(仮称)CPD松戸Ⅱ物流センター」計画
- 5月25日、東急不動産株式会社、三菱UFJリース株式会社、株式会社センターポイント・ディベロップメント(以下、それぞれ東急不動産、三菱UFJリース、CPD)の3社が松戸市における物流施設開発の着工を発表した。
それによると、3社は共同出資で設立した合同会社を通じ、外環道の「松戸IC」(今年6月開通予定)から約4km、「三郷南IC」から約6kmの敷地約7,900㎡に、地上4階、延床面積約1.6万㎡の物流施設を開発するという(竣工は2019年2月末予定)。
なお東急不動産、三菱UFJリース、CPDが共同で物流施設の開発を行うのはこれが2件目で、近接地では1件目である「(仮称)CPD松戸物流センター」の開発が進められている(こちらの竣工は2018年8月を予定)。
- b.埼玉県上尾市:「ロジスクエア上尾」計画
- 5月25日、物流施設の開発、投資、運用を手掛ける株式会社シーアールイー(以下、CRE)が埼玉県上尾市で進めていた物流施設開発計画について着工を発表した。
開発計画は、圏央道「桶川北本IC」から約7km、首都高「与野IC」から約8.4kmの敷地約1.3万㎡に地上3階、延床面積約2万㎡の物流施設を開発するというもの(竣工は2019年4月末予定)。開発地はJR高崎線「上尾駅」までバスを利用して約7分ということから、CREは労働力確保にも優位性があるとしている。
なおJ-REIT「CREロジスティクスファンド投資法人」のスポンサーを務めるCREは、現在、当該案件を含めて6件の物流施設開発計画を進めている。