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JLL、国内投資家への海外不動産投資サポート体制を強化
9月25日週のニュース概観
(写真/iStock)
概況
9月25日、総合不動産サービス大手のJLLが、日本国内の投資家を対象とした海外不動産投資サポートを強化すると発表した。
具体的には、「グローバルファンドアドバイザリー」という専門チームを設け、海外不動産へのファンドを通じた間接投資をサポートしていく。JLLは今年1月から海外不動産への直接投資について専門家を配置して機関投資家へのサポートを提供してきたが、今回の措置により、直接・間接問わず幅広い投資サポートを顧客に提供することが可能となる。
黒田日銀の大規模金融緩和による低金利環境の長期化が利回り確保のハードルを上げ、国内不動産取得競争をより厳しいものとしている中、機関投資家や不動産企業は新たな収益源の確保やポートフォリオのリスク分散という観点から着実に海外不動産への投資を積み増している。
今回のJLLの海外不動産投資サポート体制の拡充は、そうした国内資金の動きを反映したものといえるだろう。
同じ25日、東急リバブル株式会社(以下、東急リバブル)が山口県県職員公舎の売却について支援業務を受託した。 山口県は財源確保という観点から東京都目黒区に有する県職員公舎「メゾン山口」の売却を模索しており、その支援業務を行う民間事業者を募集していた。
東急リバブルはこれまでにも北海道夕張市や独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構といった公共機関から所有資産売却について支援業務を受託しており、その実績が今回の受託に繋がったようだ。
今後、東急リバブルはメゾン山口について一般競争入札での売却に向けた支援業務、そして一般競争入札で落札者が出なかった場合には売買媒介業務を山口県に対して提供していく。
なお、今回売却対象として名前の挙がったメゾン山口の今後だが、発表では「リースバック」方式の売却となっていることから、売却後も引き続き県職員公舎として利用されるものと予想される。
9月26日、金融庁が平成30事務年度(2018年7月~2019年6月)の金融行政方針を発表した。
不動産市況に関して注目されるのは、各種検査・アンケート調査を利用して銀行の投資不動産向け融資へのモニタリングを強化すると謳っている点である。これは各種証票・書類の偽造や不正融資の判明したスルガ銀行の一件を念頭に置いた措置と見られる。よって金融庁のチェックが強化されるのは、投資不動産向け融資の中でも個人投資家のそれになると考えられるが、それが企業・法人向けの融資にまで波及してくるか注意したい。
9月27日、東急不動産株式会社(以下、東急不動産)が他3社と組んでバイオマス発電所の開発を行うと発表した。
発表によると、東急不動産は中部電力株式会社、三菱UFJリース株式会社、シンエネルギー開発株式会社と「米子バイオマス発電合同会社」に匿名組合出資し、当該合同会社を通じて鳥取県米子市に想定年間発電電力量約3.9億kwh(一般家庭12.5万世帯分にほぼ相当)の木質専焼バイオマス発電所を開発するという(2019年9月着工、2022年3月稼働開始をそれぞれ予定)。
東急不動産は今年5月から再生エネルギー事業を本格展開させており、今回発表されたバイオマス発電所開発もその流れに沿ったものといえる。今後、東急不動産が再生エネルギー事業を加速させていく中で、開発した発電所の出口として上場インフラファンド等を利用することがあるのか、非常に興味深い。
物件動向
9月25日週の物件動向だが、特に目立つものはなかった。