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2019年09月17日

タカラレーベン・インフラ投資法人

FISCO REIT REPORT

タカラレーベン Research Memo(3):成長が見込まれる再生可能エネルギー

■タカラレーベン・インフラ投資法人の再生可能エネルギーの見通し

1. 再生可能エネルギーの展望

地球温暖化対策への国際的な枠組みである「パリ協定」において、日本は2030年度の温室効果ガス排出を2013年度水準から26%削減する目標が定められた。この目標を達成する核となるのは、再生可能エネルギーの導入量を増やすなど低排出エネルギーの推進と、更なるエネルギー効率化の追求である。そこで、2015年7月16日、経済産業省は、実現可能な将来のエネルギー需給構造のあるべき姿として「長期エネルギー需給見通し」(エネルギーミックス)を策定した。同見通しでは、2030年度の電源構成について、水力を含む再生可能エネルギーが22%から24%程度を占め、うち太陽光は7%に拡大すると見込んでいる。政府では第5次基本計画でも、2030年のエネルギーミックスの確実な実現を目指す方針を改めて明確にしている。さらに、2050年に向けては、エネルギー転換・脱炭素化への挑戦を掲げ、温室効果ガスの80%削減に向けて、再生可能エネルギーの主力電源化を目指す方針である。ただ、世界の潮流もあり、2011年3月の東日本大震災による原子力発電所事故を経験したわが国でも、安心・安全な再生可能エネルギーへのシフトが政府の計画以上のペースで進むことも予想される。

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2. FIT制度に基づく20年間にわたる固定価格での買取り

「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」(FIT制度)とは、再生可能エネルギーの普及を図るため、一定の電気事業者(企業や家庭などに電力供給を行う電力会社)に対して、認定を受けた再生可能エネルギー発電設備を用いて発電された電気を固定の調達価格で、20年間を通じて買い取ることを義務付ける制度である。これにより、発電事業者は安定的かつ継続的な売電収入を見込むことができ、再生可能エネルギー発電設備の高い建設コストの回収見通しが立ちやすくなった。FIT制度開始後に新規導入された再生可能エネルギーの容量割合を見ると、2019年3月末時点では太陽光発電が92.2%を占めており、今後も太陽光発電が再生可能エネルギーの大半を占めると予想される。

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FIT制度における太陽光発電の買取価格(調達価格)は、発電所の建設に必要なシステム費用の低下などを反映して年々引き下げられている。経済産業省では事業者からの買取価格(1キロワット時当たり)を2012年度の40円から、2018年度には18円に引き下げている。さらに、2019年度は14円の予定であり、2022−2024年度には8円程度に引き下げる方針であると伝えられる。ただ、買取価格の引き下げは新規の案件にのみ適用されるもので、既に認定取得済(買取価格決定済)の発電所には適用されないことに留意が必要である。

実際、同投資法人では、保有する26発電所のうち、6物件40円、18物件36円、2物件32円の調達価格を確保しており、ポートフォリオ全体の平均買取価格は36.62円である。同投資法人のスポンサーであるタカラレーベンは、この買取価格で20年間売電する契約を買取電力会社と締結しており、ポートフォリオ全体の残存調達期間は16年2ヶ月である。また、タカラレーベンによる契約では、開発済み資産に加えて、開発中資産、開発予定資産も、既に物件ごとに設定された買取価格で、電力会社が20年間買い取ることになっている。このように、FIT制度によって、同投資法人では将来にわたって安定的な収益を産み出し、投資家に対して安定的に分配金を支払うことが可能である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)

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