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決算説明会拾い読み 大和ハウスリート投資法人
2019年2月期(第26期)決算説明会資料
今回取り上げるのは、2019年4月19日に開示された大和ハウスリート投資法人の第26期(2019年2月期)決算説明会資料です。
同投資法人は、大和ハウス工業株式会社をスポンサーとする総合型J-REITにて、2006年に発足したビ・ライフ投資法人が、2010年にニューシティ・レジデンス投資法人と合併後大和ハウス・レジデンシャル投資法人に商号変更。2016年に同じ大和ハウス系列の旧大和ハウス・リート投資法人と合併し現在に至ります。
用途別のポートフォーリオは、物流施設(51%)、住居(33%)、商業(13%)、ホテル(2%)、その他施設(2%)と広範囲にわたる総合型の特性を保有してます。
投資方針として、
【投資エリア】3大都市圏 70%以上
【投資タイプ】中核資産(物流・住居・商業・ホテル)80%以上、その他施設(複合・ヘルスケア)20%以下
を明示しています。
R&Iから「A+」、JCRより「AA」格付をそれぞれ取得してます。
第26期のトピックス
1.投資環境
三大都市圏を中心に空室率の低下・賃料の上昇等オフィス市況は好調な状況が続いており、再開発の進捗により繁華性も向上している。訪日客の増加によって店舗・ホテルの建設需要も強く、利便性の高い地域等でマンション需要も旺盛、オフィス・住居等に対する投資意欲は引続き強い。
2.外部成長について
還元利回りの低下、地価の上昇や建設コストの高騰等により、外部成長を目指すうえで厳しい状況が続いている。
このような状況ではあるが、26期の物件取得は、4件・127億円(物流1件・商業2件・ホテル1件)、売却は、1件・12億円(住居)となった。また、27期の取得については、13件・676億円(物流8件・商業3件・ホテル1件・その他1件)が決定している。
2016年9月の合併後、資産の増加は目覚ましく取得は57件・2,729億円に達し、2019年4月10日現在保有物件は、229件・7,505億円となっている。(取得額ベース)
また、ポートフォーリオの入れ替えも積極的に進めており、居住施設10件・145億円を売却することで、収益性の向上と築年数の若返りを図っている。
過去4期を振り返ると、物流施設の比率が伸び、居住施設が減少、商業施設・ホテル施設は微増といったところ。
3.内部成長について
【物流施設】三大都市圏における中大型物流施設の需給はほぼ釣り合っており、空室率も低下傾向にある。また、当投資法人が保有する大規模先進的物流施設の市場に占める割合は、10%以下と引続き賃料更改時の増額は見込める状況。
LED化工事に伴う賃料収入増加額は年間61百万円が見込まれ、3物件に設置した太陽光発電設備においても、実績が上がってきている。
【居住施設】高稼働率を維持し、テナント入居時の賃料は8期連続で増加。月額賃料の増加額は2.5百万円/月(入替前賃料比+2.4%)。
物件は東京23区内で72%を占めることから、引続き堅調な内部成長が見込まれる。
【商業施設】賃料形態は97.6%(賃貸面積ベース)が固定賃料となっており、また平均賃貸契約期間は16.5年と長期にわたっていることから、懸念される景気減速へのダイレクトな影響は限定的と思われる。
【ホテル】賃貸形態は100%(賃貸面積ベース)固定賃料となっており、また平均賃貸契約期間は12.0年となっていることから、ワールドカップラグビーやオリンピック等目先のメリット享受は限定的ながら、その後に予想される景気落ち込みの影響もカバーされている。
4.含み損益について
26期の含み益は、+144億円の932億円となった。各施設とも目立った評価減の物件は見られず、景気の影響を受けやすい商業・ホテルも上述の通りほぼ固定賃料の契約形態にて近々含みを大きく減らすことはないと思われる。
主要指標(決算説明資料より抜粋)